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パパ活アプリを始めたおっさん。とんでもないプロフィールで釣果を期待するも……

金持ちっぽい登録名を模索してみた

「もっとしゃれた名前にしないと目立たないだろ」  赤塚さんもそれに呼応する形で小さく頷く。 「横文字がしゃれてていいな、それでいて赤塚のエッセンスも残した方がいい。あと、金持ちっぽい雰囲気の名前が良い」 「レッドバロンにしよう!」  バイク屋じゃねえか。 「年齢をいれなきゃいけないんですけど」 「普通に本当の年齢を入れればいいのでは?」  僕の提案に赤塚さんが首を縦に振る。 「ぼく、今年で44歳です」 「4が並ぶのは縁起が悪いな、43歳にしとけ」  おっさんがそうアドバイスする。もうよくわからんことになってんな。年齢をサバ読むならもっとやればいいのに。

なんと赤塚さんが出してきたプロフィール画像は……

「写真を登録しなくちゃだめみたいです」 「写真はとにかく重要だろ」  赤塚さんの手持ちの写真でなにがいいのか吟味したのだけど、赤塚さんのフォルダにはほとんど風景写真と風俗嬢の写メ日記のキャプチャ画像しかなく、自分が写っているものがなかった。 「この、釣りに行ってチヌを釣り上げたときの写真しかないんですが」 「これじゃあ、どっちが赤塚ちゃんでどっちがチヌ(クロダイ)なのかわかりゃしねえな」  そんなわけないだろ。 「あ、アイナメを釣った時のもあります。どっちがいいですかね」 「アイナメのほうがいいですね」  赤塚さんの問いかけに、どっちでもいいだろと思いつつ答える。そもそも釣り以外の画像はないのか。  こうして、「レッドバロン43歳 東京都」というプロフィールにアイナメを誇らしく掲げる赤塚さんの画像が表示されたプロフィールページが完成した。 「これでむちゃくちゃマッチングするだろ」  おっさんは満足げだけど、僕が女性だったらとてもマッチングしたいとは思えない感じだ。
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レッドバロン43歳のアピールポイントとは?
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テキストサイト管理人。初代管理サイト「Numeri」で発表した悪質業者や援助交際女子高生と対峙する「対決シリーズ」が話題となり、以降さまざまな媒体に寄稿。発表する記事のほとんどで伝説的バズを生み出す。本連載と同名の処女作「おっさんは二度死ぬ」(扶桑社刊)が発売中。3月28日に、自身の文章術を綴った「文章で伝えるときにいちばん大切なものは、感情である 読みたくなる文章の書き方29の掟(アスコム)」が発売。twitter(@pato_numeri

pato「おっさんは二度死ぬ」

“全てのおっさんは、いつか二度死ぬ。それは避けようのないことだ"――


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