不毛な奢り奢られ論争に終止符を打つため、おっさんがおっさんに奢られてみた。その悲惨な結末とは
しかし尋常じゃないケチだった石川さん
しかしながら、石川さんは度が外れたケチだった。奢ってもらうどころか、休憩時間に吸うタバコすらも僕や周囲のバイトにたかるほどの徹底ぶりだった。この人に奢ってもらうことは一筋縄ではいかない。そう思った。
「奢ってくださいよ~」
と、いつもの挨拶のごとく言うのだけど、石川さんははぐらしかたも一流だ。
「またこんどな~、絶対に奢ったるから!」
と言って、その「またこんど」は永遠に訪れない。それどころか条件を付けてくるのだ。
「店長の秘薬について謎を解き明かしてきたら奢ってやる」
僕たちが働いているパチンコ屋には、恐ろしい店長が存在した。とにかく怒りの沸点が低く、すぐに怒り狂うどころか、手や足が出るバイオレンスな方で、バイトも社員も一様に彼のことを怖れていた。たぶん人を殺したことがある、そう噂される人だった。
その怒りの化身たる店長は完全なるスキンヘッドだった。それがいっそう、恐ろしさを際立たせていた。
スキンヘッド店長の「とある謎」
テキストサイト管理人。初代管理サイト「Numeri」で発表した悪質業者や援助交際女子高生と対峙する「対決シリーズ」が話題となり、以降さまざまな媒体に寄稿。発表する記事のほとんどで伝説的バズを生み出す。本連載と同名の処女作「おっさんは二度死ぬ」(扶桑社刊)が発売中。3月28日に、自身の文章術を綴った「文章で伝えるときにいちばん大切なものは、感情である 読みたくなる文章の書き方29の掟(アスコム)」が発売。twitter(@pato_numeri)
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