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「手取りは月10万円台、交際経験もない」49歳の嘆き。500人アンケートで見えた令和の“弱者男性”の姿とは

貧困などで困窮しているのに“男性だから”と手を差しのべてもらえない男性が「弱者男性」と呼ばれている。先行き不安な時代が彼らを社会の隅に追いやったのか? 彼らが抱える“生きづらさ”の正体を突き止める。

500人アンケートで見えてきた令和の“弱者男性”の姿

新型[弱者男性]の肖像1996年の労働者派遣法改正、新自由主義経済の拡大、女性の社会進出、外国人労働者の流入……。バブル崩壊以降、さまざまな要因から低所得にあえぐ非正規雇用の労働者が増加。そこで表面化したのが「弱者男性」の存在だ。 「一般的には不安定な雇用で経済的に困窮し、社会的な繫がりが希薄な男性を指すものでした」と語るのは男性論に詳しい批評家の杉田俊介氏。 弱者男性は一般的に「貧困」「未婚」「障害」のいずれかを併せ持つとされている。

「自分は典型的な弱者男性」49歳の嘆き

「自分は典型的な弱者男性だと思います。年収は歩合制で280万~300万円を行ったり来たりです」 運送会社に勤める千葉県在住の大西隆さん(仮名・49歳)はため息をつく。
新型[弱者男性]の肖像

「満足に働けない心苦しさで同僚とも馴染めなかった」と話す大西隆さん(仮名・49歳)

「コロナ禍前は20年ほど製造業に勤めていましたが、自分は定期的に休むので給料は300万円台で横ばい。満足に働けない心苦しさもあり同僚とも馴染めませんでした」 大西さんが定期的に休職を余儀なくされたのは長年パニック障害を抱えていたからだ。 「父親が昭和気質で、僕が内気なことを言うと“男のくせに”と殴る。それがトラウマで学生時代は無理に陽気に振る舞い空回り。そのうち、学校で突然、口が利けなくなることが頻繁に起きた。それがパニック障害の発作と知るのは、社会人になってからです」
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「自分を愛してくれる女性に出会えたら救われる気がします」
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