仕事

“昭和おじさん”が幅をきかせる職場は生き地獄だった。転職した30代男性の苦悩

―[モンスター上司]―
 仕事に就くことは生きていくうえで大切だが、毎日のように働き続ける職場環境はもっと重要視するべきかもしれない。それをリアルに体感し、「職務以外で苦労する会社は、退職や転職も考慮したほうがいい」と話してくれたのは、サラリーマンの木部恭吾さん(仮名・30代)
接待

※画像はイメージです

 木部さんは、穏やかで頭がキレると噂されていた社長の掲げる理念に触発され、その会社に入社した。ところが昔と違っていまは、社長と直接話すといった機会はなく、Nさんという超ワガママな男性上司がすべてを左右しているというのが実情だった。

超ワガママな上司が実権を握る

Nさんは50代後半とまだ若いのに、団塊の世代かと思うほど時代錯誤の考え方をしていました。さらに、自分が実権を握っていることもよくわかっていて、『また契約を取っちゃったよ。俺って、スゴイだろ?』と、冗談っぽく自分を褒め称えるよう社員を煽るのです」  だが、冗談では終わらせてくれない。このタイミングで褒めないと、急に不機嫌になる。さらに、Nさんが上機嫌のときには職場の人たちを飲みに誘うのだが、話すことは毎回ほぼ同じ。若かりし頃の武勇伝を1時間以上にわたって話すのが、お決まりのパターンだ。 「話している本人は楽しくても、聞いているほうは苦痛でしかありません。それを、タイミングのいい相づちを打ち、笑顔を浮かべて『スゴイですね~!』と言いながら聞かなくてはいけない。それが暗黙のルールだったので、違和感しかありませんでした」

暗黙のルールを続ける理由は

 それでも暗黙のルールを破れなかったのは、仕事に影響が出るから。Nさんの武勇伝中に酔いつぶれ、「毎回毎回よくそんな同じ話ばっかりできますね?」と口を滑らせた先輩社員は、企画を立てるときのリーダーからサポート役へと格下げされた。 「それだけではありません。飲み会でNに『何か面白いことはないか』と言われ、手品を披露して皆を驚かせた同僚は、翌日以降ほぼスルー。同僚が仕事のことでNさんに話しかけても適当に返答され、そのせいでミスやクライアントとのすれ違いが増えていきました」  また、飲み会でNさんに「何か面白い話はないか」と言われた先輩社員が“Nさんがディスりやすいよう自虐的な20代の頃の話”をしたのに、それが思わずウケてしまったことがある。そのときは、ほかの人たちが続きを聞きたがっているにもかかわらず、話を完全に妨害。
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飲み会を断ると態度が一変
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フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意

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