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テレワークパパの悲劇。娘からパワハラ上司だと誤解されて…

―[モンスター上司]―
 普段、自分が働いている姿を家族に見せる機会はほとんどない。だが、新型コロナウイルスの影響によって自宅でのテレワークとなり、家族に仕事をする様子を見られている人も多いだろう。
テレワーク

写真はイメージです(以下同じ)

 家での作業のため、どうしても気持ちが緩んでしまうといった声も聞かれるが、反対に「完全な仕事モードの自分を見せてしまい引かれてしまった」という人も。

ミスをした部下をオンラインで叱責

「私も娘に幻滅されてしまいました。家族に見せる姿とはまったく違っていたからか本気で嫌われてしまったみたいで……」  落ち込んだ様子でそう話すのは、紡績メーカーに勤める浅井友哉さん(仮名・44歳)。緊急事態宣言後も週1~2日出勤しているが、それ以外の平日は自宅でのテレワーク。書斎など自分専用の部屋がないため、リビングにノートPCを持ち込んで仕事をしているそうだ。 「我が家は共働きですが、妻はテレワークではありませんので日中は、高校が臨時休校中の娘と2人きり。普通に話もしますし、親子関係はそれほど悪くなかったです」  ただし、昼食のとき以外はほとんど自分の部屋にこもっており、おかげで在宅でも集中して仕事に取り組むことができたという。だが、それが悲劇を生んでしまう。 「部下が発注ミスをしていたんです。私が気づいて事なきを得ましたが、相手は大口の取引先。一歩間違えば、先方の工場の製造ラインがストップした可能性もあります。そうなればこれで生じた損失は、ウチの会社が賠償しなければなりません。絶対にあってはならないことですが、この部下は以前にも同じミスをしていました。しかも、これが三度目だったので厳しい口調で注意したんです」

娘にパワハラだと誤解された

パワハラ ちなみに浅井さんは社内での信頼は厚いが、同時に妥協を許さない大変厳しい人物。このときはマニュアルで定めていた手順を勝手に省略していたことも発覚したため、部署を束ねる課長として見過ごすことができなかった。 「そうだとしても叱り方を間違えてしまうとパワハラになりかねません。それは会社からも厳命されていますし、管理職向けの社内研修でも指導を受けています。部下の人格を否定するようなことは言ってないし、叱責する理由についても何がいけなかったのか細かく説明したつもりです。けど、普段よりも大きな声だったらしく、部下との通信を終えて後ろを振り向くと娘が立っていました。娘は見てはいけないものを見てしまったという表情をしていて、私に『お父さん、パワハラ上司なの?』って言ってきたんです」  彼女には大声で部下を叱る父親=パワハラと映っていたのだが、娘の一言にすっかり動揺していた浅井さんはここで対応を誤ってしまう。  パワハラではないと否定はしたが納得しなかった娘を「部屋で勉強してなさい!」と言ってリビングから追い出してしまったのだ。
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家族に誤解を与えないように注意すべき
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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