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GACKT「ホンネだけだと国は崩壊するんじゃないか」政治の世界に感じた“茶番劇”

 1999年のソロ活動から25年目の活動となるGACKTさん(以下、敬称略)。アーティストとしての活動のほか、俳優としての存在感も知られている。2019年に公開された映画『翔んで埼玉』は大ヒットを記録し、第43回日本アカデミー賞では優秀賞を最多の12部門で受賞。自身は埼玉解放戦線のリーダー・麻実麗を演じ、優秀主演男優賞を受賞した。
GACKT

GACKTさん

 そして現在、舞台を埼玉から関西にまで拡大させ、これまたヒットを飛ばしている続編『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』が公開中。今回、彼らの前に立ちはだかる大阪府知事の嘉祥寺晃を演じる片岡愛之助さんとの貴重なBLシーンの裏側や、衝撃の“乳首ドリル”についても話を聞いた。

喉の調子が100%ではなかった

――まずは大ヒット作続編の、クランクインの瞬間の気持ちをお聞かせください。 GACKT:喉の調子がまだ100%戻っているわけではなかったので(2021年から翌年まで、体調不良と発声障害による活動休止をしていた)、どれくらい持つのかなという不安がありました。  ただ、とにかくやれるだけやろうという気持ちでした。前作と同様に、また過酷な撮影が数か月始まるのかという思いがありつつも、「みんなを待たせてしまった」という気持ちもありましたから。だけど面白いものができるかどうかなんて、正直わからないじゃないですか。だからやれるだけのことはやろう、という気持ちでした。 ――手ごたえを感じ始めたのは。 GACKT:そんなのないですよ。全くない。正直、面白いものになるのかどうかというのは、武内(英樹)監督の腕にかかっているので。だって、ボクらとしては、現場で実感なんてないんですから。やっているときはひたすら真剣に演技しているだけです。逆に現場で面白いと感じてしまうものって、結局身内ウケになってしまってダメになることが多い。スクリーンの外まで届ける面白さに、武内さんはこだわって作っていたので、それには客観性が必要なんですよ。

撮影終了まで「これ、本当に大丈夫かな」

翔んで埼玉

(C) 2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会

――では大丈夫かなというのは。 GACKT:「これ、本当に大丈夫かな」「どうやって面白くするのかな」といった気持ちは撮影が終わるまでありましたよ。でもとにかく武内さんが求めていることに100%応えていこうと。現場では「うわあ、面白いな」とは、ボクだけじゃなくて、ほかの役者の方たちもおそらく思っていないというか、わかってないと思いますよ。というか、面白くやろうとやっている役者は怒られますから。「そういうの、いらないから。もっと真剣にやってください」って。 ――なんとなく分かります。 GACKT:お笑いの人たちとか、役者の中にも、面白くしたくてアドリブをやったりする人もいると思うんですけど、武内さんはそういうのはバッサリ切るので。だからボクらはただひたすら真剣に演技をしていました。
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愛之助に顔を舐められる場面を提案
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ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

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