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ラブホ清掃員が明かす、“卒業式”の日におばあちゃんが事務所で待機する意外な理由

 さまざまな事情を抱えた人たちが利用するラブホテル。一般的には、ドキドキ、ワクワクしながら、ときにはヒソヒソと向かう場所だ。一方で、その周辺に住んでいる人たちもいる。そこには利用者には見えない、ラブホ街の住人だからこそ知る情景があった。  今回は、実家がラブホ街にあり、学生時代にラブホで清掃員としてアルバイト経験もある前田裕子さん(仮名・20代)に、住人ならではのエピソードを聞いた。

住人たちは「あのラブホ、潰れるんだって」が日常会話

入口のカーテン

※写真はイメージです。以下同

 ラブホ街では、「あのラブホ、潰れるんだって」というフレーズをよく耳にしたそうだ。 「一般的には馴染みのないワードだとは思いますが、『あのパン屋さん、なくなるんだって』と同じような感覚で、ラブホ街の住人にとっては日常会話なんです」  一口にラブホと言っても、さまざまなタイプが存在する。前田さんの実家は、かなり有名な温泉地にあり、ベランダ露天風呂や内湯付きの部屋をウリにしているラブホも多いのだとか。 「それでも潰れるんですよね。ただ、潰れたからといって、廃墟化や朽ち果ててしまうまで放置されることは少ないんです。『あのラブホ、潰れるんだって』という会話から、ひと月も経てば、『あの空きホテル、新しいラブホになるんだって』という会話が聞こえてきます」  ラブホの後もラブホのことが多いそうだが、「最近は少し変わってきている」と前田さんは明かす。 「防音がしっかりしていたり、各部屋にトイレが付いていたりするため、カラオケボックスに変貌を遂げるラブホもあります。ときには、部屋が棟で独立したヴィラタイプのラブホが、高級旅館に生まれ変わったなんてこともありましたね」  旅館のプランにはこんなことが書かれているという。 “1泊2日、お部屋で楽しむ2食と温泉付き” 「住民としては、左右はラブホに囲まれ、前方には民家が密集していますが、ゆっくりしていってください……という思いです」

ラブホが意外な施設に早変わり「理にかなっていると思います」

 そして、前田さんが1番びっくりしたのは、ラブホを居抜きして作られた「介護施設」や「福祉施設」。それらも最近、増えているそうだ。前田さんはパンフレットを見る機会があり、その内容に驚愕した。 “施設入り口でミロのヴィーナス像が皆さまをお出迎え” 「ラブホに立っていたピンク色のオブジェが、施設のアイコンになっていたときには、さすがにお茶を噴き出してしまいました」  そんななかでも、ラブホからサービス付きシニアマンションになることは、意外と理にかなっているという。 「たとえば、“完全個室、部屋に風呂付き、バリアフリー”、“広いお部屋はご夫婦、ご家族で入居可能”など、塗装や看板、内装を変えれば、すぐに新しい施設として機能しますから、これからの時代は、シニア向けの施設が増えるんじゃないでしょうか」
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高校時代の“初めてのアルバイト”もラブホ
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