仕事

「俺のパスワード教えろ!」会社に乗り込んできた初老のクレーマーを黙らせた“ある言葉“

まさかの怒鳴り込み

カスタマーハラスメント 結局、その日はもう男性客からは電話は入りませんでした。長谷川さんは、自分の対応を振り返り、特段相手を刺激させるような言動などはなかったことを上司とも再確認し、男性客がヤケを起こして諦めたものと理解していました。  ところが翌日、とんでもない事態に発展することになります。なんと、その男性客が、どこから情報を取得したのか、カスタマーサポートの会社まで押しかけてきたのです。 「めちゃくちゃびっくりしました。出勤してしばらくしたら受付から『かなり年配の男性が長谷川さん宛にお見えになっていますよ』という内線が掛かってきたんです。客が押しかけて来るなんて初めてのことです。とにかく急いで受付まで走りました」  長谷川さんが階下の受付フロアに行くと、白髪の年配男性が腕を組んで立っていたそうです。ただ、想像とは裏腹に長谷川さんの目には一見紳士風の上品な感じに映ったそうです。

「バカにするのもいい加減にしなさい」

「自分の名前を名乗り、男性客の名前を確認すると『君が長谷川くんか。年寄りをバカにするのもいい加減にしなさい。あんたが繰り返す説明じゃ分からんのじゃよ。これ以上説明する手立てがないだと! こっちが下手に出たらいい気になりやがって! 俺のパスワードを教えろ!』とかなりの立腹でした」  長谷川さんは「私の力が及ばずご迷惑をおかけしていて大変申し訳ございません。よろしければ、ここでもう一度ご説明してもよろしいでしょうか?」と、冷静に話しかけると、男性客は持参したノートパソコンを受付のソファにたたきつけるように置いたそうです。 「持参したノートパソコンを開き、以前その男性が登録したパスワードを入力すると、あっさりとログインできました。たぶん、Caps Lockが押されていたのか、大文字と小文字を間違えるなどの初歩的なミスだったのでしょう」
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問題を解決させた“祖父”というワード
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愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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