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女性を狙って「役立たずが!」図書館で暴言を吐く40代男性の末路。証拠を録画して館長に見せると…

出勤できない状態にまで追い込まれる

 それからは、男が中島さんを呼び出した時は、上司や同僚が対応してくれることに。 「他の職員には、普通に接するので、やはり私を標的にしていたようでした。それでも、これで問題は回避できると思ったんですが……。今度は、私が返却された本を棚に戻しに行くときに、話しかけてくるようになりました。『他の業務中なのですみません』と答えると、耳元で『殺すぞ』と脅される始末で」  中島さんは恐怖とストレスで円形脱毛症になり、しばらくの間、出勤できなくなってしまう。 「出勤できずに家に閉じこもっている間、仕事は辞めようと思っていました……。ですが、その間に上司が動いてくれて、例の利用者さんを出禁にするよう館長に掛け合ってくれたんです

暴言を吐く様子を録画され、あえなく出禁に

 だが、男は図書館に本の寄贈などを行っており、館長には紳士的に振る舞っていたこともあり、訴えは受け入れてもらえなかった。 「証拠がなかった点も訴えが通らなかった理由でした。その状況を受けて、今度は同僚たちも一致団結してくれて動いてくれたんです。私が復帰するタイミングに合わせて、ビデオカメラを用意してくれて、私がひどい言葉を浴びている証拠を押さえてくれました。その証拠を提出したところ、館長もその利用者さんを出禁にすることに承諾してくれました」  そんな動きがあったことは露知らず、訪問してきた男だったが……。 「入口の前に待機していた上司に出禁であることを言い渡されて、ひどく動揺していました。上司に食ってかかっていましたが、断固として館内への立ち入りは阻止してくれました。どうも自身の活動をする上で、図書館の訪問は拠り所になっていたようなので、相当なショックを受けていたそうです」  その後、男は変装して現れたり、親を伴ってやって来て、涙ながらに出禁の解除を訴えたそうだが、当然、聞き入れられるわけはなかった。しばらくすると、とうとう男は訪れなくなったという。 <TEXT/和泉太郎>
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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