サウナは恐ろしい。命を失う危険がある。しかし、それよりも尊いものを僕は既に失くしていたのだった
若者を揶揄する言葉「ピンチケ」
ピンチケとは、本来、アイドル現場などでマナーを守らない迷惑なファンに向けてつけられる名前だけど、このサウナでは単に若い常連グループを指す言葉として定着している。
もともとAKB48劇場で、中高生向けに売られていた割引チケットがピンク色で、それらの若いファンがマナーを守らないからと揶揄して使われるようになった呼称だ。ただ、このサウナにおいてはピンチケはただ若いだけの存在で、別にマナーを守らないわけではなかった。
そのピンチケが僕のことをちょっと変なニックネームで呼んでいるらしい。
「どんな不名誉なニックネームなんですか」
僕はこれまでに行きつけのスロット屋、釣具屋、コンビニなどでエロ本大佐やカラカッサ、ウーバーケツ、懲役4年、など不名誉なニックネームを賜った経験がある。ついにこのサウナでもそのときが来たか、という感じだ。
これらを上回る酷いニックネーム。どんなもんだろうと興味が沸くのだけど、いくら常連仲間に聞いても詳細を教えてくれない。「ピンチケに聞け」の一点張りだ。そんなもの、ピンチケにお前ら俺のこと変な名前で呼んでいるらしいな、といっても正直に言うわけがない。そもそも、俺たちも「ピンチケ」なんて変な名前で呼んでいるんだからお互い様だ。
ピンチケどもを泳がすことにした僕。そこで聞いた衝撃的なワード
テキストサイト管理人。初代管理サイト「Numeri」で発表した悪質業者や援助交際女子高生と対峙する「対決シリーズ」が話題となり、以降さまざまな媒体に寄稿。発表する記事のほとんどで伝説的バズを生み出す。本連載と同名の処女作「おっさんは二度死ぬ」(扶桑社刊)が発売中。3月28日に、自身の文章術を綴った「文章で伝えるときにいちばん大切なものは、感情である 読みたくなる文章の書き方29の掟(アスコム)」が発売。twitter(@pato_numeri)
記事一覧へ
![]() | 『pato「おっさんは二度死ぬ」』 “全てのおっさんは、いつか二度死ぬ。それは避けようのないことだ"―― ![]() |
記事一覧へ
この連載の前回記事
【関連キーワードから記事を探す】
この記者は、他にもこんな記事を書いています






