更新日:2024年12月04日 15:15
ライフ

初めての刺青は「中学時代」。離婚3回、4児のシングルマザーがたどり着いた“幸せ”の境地

最初の旦那が逮捕されたのち、悲劇が…

麗菜さん

背中には、椿、毒蜘蛛などと並び「幼児の骸骨」の刺青が

 初めての結婚相手は、水商売をしていたお店の店長。だがこの結婚は必ずしも幸せなものではなかった。 「出産後、彼とは一度も一緒に住んでいません。もともと女遊びが激しい人だったうえに、だんだん働かなくなってしまって。それだけでなく、お店のお金を盗って逃げたり、深夜に路面店のガラスを割って侵入して窃盗をするなどして、捕まってしまったんです。そのことよりも遥かにショックだったのは、やはり第一子の死ですね。インフルエンザと肺炎によって、亡くなってしまったんです。1歳3ヶ月と10日の命でした」  失意のなかでも働かなくてはいけない。水商売の常連客のなかに、心惹かれる男性がいた。 「前の旦那と違って、とてもよく働く男性でした。真面目な人で、浮気の心配もありません。交際したのち、結婚することにしました」

2回目と3回目の結婚は、それぞれ…

 だが落とし穴が待ち構えていた。 「よく言えば実直な人でしたから、常軌を逸した束縛で息苦しい日々が続きました。たとえば男友達などへの嫉妬は当たり前で、洋服屋さんで男性店員が話しかけてきただけで怒り狂う、男性店員のレジには並んではいけない、などのルールが細かく決められていました。浮気はない代わりにモラハラやDVが激しく、離婚の話し合いの大詰めで首を締められて救急車を呼び、警察沙汰になりました」  2人目の夫との間には2子を設けたものの、麗菜さんは子どもたちを連れて友人のもとへ身を隠した。 「1年弱でその友人と結婚することになりましたが、浮気と覚醒剤などが原因で婚姻生活は7年間で破綻しました。そこで生まれてきたのが末っ子です」  くっついては離れて、戸籍の出入りが忙しい。しかも必ず男性に裏切られて婚姻生活に終止符を打つ。それなのに、麗菜さんの語り口には絶望感や厭世的なにおいが漂わない。 「よほど意図的に害悪を及ぼす相手ではない限り、なるべくフラットに付き合おうと思って接しています。どんな相手でも、出会えたのは縁だと思うので、大切にするためにはどうしたらいいかなと考えるようにしています。そして、辛かった過去の経験も、貴重な体験をさせてもらったと思うようにしています。物事を深く考えすぎないで、むしろ少しくらい感度を下げて、その分『幸せだな』と思える範囲を広げていく。そうすれば、人生における大抵のことはしんどくないと思います」
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見た目で損をしているからこそ、真摯に気配りをする必要がある
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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