更新日:2024年11月25日 16:13
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「ドラッグストア業界1位と2位の統合」で超大型チェーンが誕生。浮上する商売敵の“意外な正体”とは

 経済本や決算書を読み漁ることが趣味のマネーライター・山口伸です。『日刊SPA!』では「かゆい所に手が届く」ような企業分析記事を担当しています。さて、今回はドラッグストア業界各社について紹介したいと思います。  ウエルシアやマツモトキヨシ、ツルハなど、同じ業界としてひとくくりにされるドラッグストア業界ですが、ビジネスモデルはかなり異なります。それぞれの立地や商品構成に違いがあり、まるで片方は食品、もう一方は化粧品に力を入れるなど別業種のような印象です。この違いは業績にも現れています。業界再編が進んでいますが、ライバルは同業種というより他業態にあるといえます。
ウエルシア

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「なんでも屋」として伸び続けてきたドラッグストア市場

 ドラッグストア市場は店舗数の増加とともに長期にわたって伸び続けてきました。23年度の市場規模は8.3兆円です。医薬品需要の増加も背景にありますが、食品やトイレットペーパー・洗剤などの消耗品、化粧品を扱う「なんでも屋」としての利便性が主な要因です。  多くの場合、安価な食品・消耗品で集客しつつ、利幅の大きい医薬品で儲けるビジネスモデルをとっているため、ディスカウントストアとしても機能しています。よく訪れるけど薬はほぼ買わないという方も多いのではないでしょうか。  処方薬を提供できる調剤機能に至っては、「全店舗の95%以上が対応していない」チェーンもあります。2023年度における各社売上高ランキングは次の通りです。(※コスモス薬品は24年5月期3Q時における予想値を記載) 1位:ウエルシアホールディングス:1兆2,173億円 2位:ツルハホールディングス:1兆275億円 3位:マツキヨココカラ&カンパニー:1兆225億円 4位:コスモス薬品:9,160億円 5位:サンドラッグ:7,518億円

業界トップのウエルシアは「薬で儲けるビジネスモデル」

 業界トップのウエルシアHDは24年2月期末時点で2,763店舗を展開し、そのうち「ウエルシア薬局」は2,145店舗を占めます。グリーンクロス・コア薬局を前身とし、2000年に当時のジャスコ(イオン)と資本業務提携を結びました。2002年に店名をウエルシアに統一。店舗数増加とともに拡大し、2014年にはイオンが株の過半を握ったことで、イオンの連結子会社となりました。  同社の売上高は食品と家庭用雑貨合わせて36%を占めるのに対し、医薬品と調剤による収入はそれぞれ20%です。一方で各品目の粗利率は家庭用雑貨が29%、食品に至っては19%程度しかないのに対し、医薬品や調剤はおよそ4割です。安く設定した食品と消耗品で集客し、薬で儲けるビジネスモデルであることが分かります。また、北関東地盤の「マルエドラッグ」や、関西地盤の「コクミン」など、M&Aを次々に行っています。会計基準変更の関係から単純比較はできませんが、2020年2月期から24年2月期にかけて次のように拡大しました。 売上高:8,683億円→1兆2,174億円 営業利益:378億円→432億円 全社店舗数:2,012店→2,825店
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「ウエルシアとの統合」を目指すツルハドラッグ
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経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_

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