“プールの水出しっぱなし”教員に同情の声…「弁償に至るケースは校長の能力が低い」
神奈川県川崎市の小学校で、誤ってプールの水を6日間にわたって出しっぱなしにした教員らが、損害額の一部を弁償させられたことが、注目を集めている。6日間も気づかなかったことが過失とされたためだ。しかし、小中学校のプールで教員が水を出しっぱなしにすることは、かなり頻繁に起こることだという。いったい、過去にはどんなケースがあったのか?
今回、問題となった川崎市のケースは今年5月に発生したもの。川崎市の市立小学校で、プールに水を入れる際に、教員が誤って水を出しっぱなしにしたことから、気づくまで6日間にわたり約217万リットル、プール6杯分の水が流れることになった。川崎市では教員に過失があったとして、損害額190万円のうち95万円程度を校長と教員に負担させたという。
この高額の請求に川崎市には抗議が殺到。賠償請求の取り下げを求めるオンライン署名も実施されている。労働の過酷さによる「なり手不足」が話題となる中で、教員の側に同情が集まっているかっこうだ。
プールの水を出しっぱなしにするというと、重大な過失のように思えるが、都内の小学校に勤務する40代の教員は、こう語る。
「報道されていないだけで、ちょくちょく起きることです。私も勤務先の学校で2回起きたことがあります」
過去の新聞記事を調べてみると2012年の『読売新聞』に「水道水ムダ遣い110万円分 都立5校 夏休み中=東京」という記事が掲載されている。一部を引用してみよう。
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都教育委員会は10日、都立学校5校で夏休み中、水道の蛇口を開けっ放しにしたため、推定1775立方メートルの水道水が無駄になったと発表した。25メートルプール3杯分の量で、金額にすると110万円の損失という。
(『読売新聞』2012年9月11日付朝刊)
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また2008年夏には、東京都の東久留米市内だけで市立小中学校4校でプールの水が出しっぱなしにされたことが、同年の市議会で報告されている。このケースでは過失の程度に応じて、校長と副校長、教員が損害額の2分の1から、4分の1を弁償している。
まるで季節の風物詩のように発生する、水の出しっぱなし。様々な事例を調べてみると、川崎市の件などたいしたことないと思えるようなものが次々と見つかった。
「プールの水出しっぱなし事故」はちょくちょく起きる?
まるで季節の風物詩のようだ…
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ルポライター。1975年岡山県に生まれる。県立金川高等学校を卒業後、上京。立正大学文学部史学科卒業。東京大学情報学環教育部修了。ルポライターとして様々な媒体に寄稿。著書に『コミックばかり読まないで』『これでいいのか岡山』
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