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“風呂キャンセル界隈”だった男性の過去。いじめを機にうつが悪化、2か月風呂に入らなかった結果

「風呂キャン」はうつの初期症状の可能性が高い

精神科医の益田裕介医師は、「風呂に入れなくなるのは、うつ病の初期症状の可能性が高い」と分析する。
[風呂入らない女子]の(驚)生態

精神科医の益田裕介氏

「うつ病とは、長年のストレスが蓄積して心身が疲労状態になることを指します。なぜ、うつ病やうつ状態になると風呂に入れなくなるのかというと、入浴は“意外と作業がたくさんある高度な行動”だから。疲労感が高まり、意欲や気力が減退していると、どうしても優先順位が下がってしまうのです」 実際に「お風呂に関する調査(2024年)」(クロス・マーケティング調べ)によると、特に20~30代は「月に数回」しか入浴しない人が多いという結果が出ている。
[風呂入らない女子]の(驚)生態

若い世代の入浴頻度の低さが目立つ。益田氏は「社会的な要求が増え、精神的に不安定になりやすい」と女性のさらなるリスクを指摘する

「女性のなかでも若年層の場合は、排卵に伴うホルモンバランスの変化で、うつ状態に似た気分の落ち込みや睡眠障害が特徴的な月経前不快気分障害(PMDD)の症状が出ることがあります。それに加え、共働きが当たり前になったことで、パートナーに『自分と同じくらい稼いでほしい』と望む男性も増えた。仕事・出産・育児でキャパオーバーになり、心身のバランスを崩しやすい環境になっています」

メンタルヘルスの問題への関心が高まっている

そうした世相を反映してか、心療内科を受診する女性の数は増加する一方だという。また、風呂キャンという言葉の広まりにはメンタルヘルスに対する意識変化もあるようだ。 「社会全体がうつ病や発達障害などメンタルヘルスの問題に関心を持つようになっています。それは同時に、自身のメンタルの状態について開示しやすい世の中になったということ。SNSを中心に『風呂キャンセル界隈』という言葉が広がったのも、その現象のひとつとみていいでしょう」 今後はうつの初期症状でもある、食事や睡眠、性行為などを省く行動も「○○キャンセル界隈」として広まると益田氏は予測している。 【益田裕介氏】 精神科医。心の病気を解説するYouTubeチャンネルを運営し、その登録者は60万人を超える。著書に『心の病はこうして治る』(扶桑社) 取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/武田敏将 武馬怜子
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