大谷翔平、シーズン終盤に“思わぬ落とし穴”の可能性。“ヒリヒリしすぎ”の9月がもたらすもの
ドジャース大谷翔平の一挙手一投足に注目が集まっている。
現地23日(日本時間24日)のレイズ戦で、「40本塁打&40盗塁」にダブルリーチをかけていた大谷は、快挙をまとめて達成。しかも今季40号はサヨナラ満塁ホームランと、シナリオライターでも思いつかないような劇的なストーリーを描いてファンを驚かせた。
出場126試合目での「40-40」達成は断トツの史上最速で、「45-45」はもちろん、ファンからは「50-50」を期待する声も日々高まっている。
日本ではどうしても大谷個人の記録に焦点が当たりがちだが、チームも好調を維持。接戦となった25日のレイズ戦を制したドジャースは、今季成績を78勝53敗(勝率.595)とした。
ドジャースの勝率は両リーグを通じて単独トップで、2013年から続くチームのポストシーズン進出記録を12年連続に伸ばすことは、ほぼ間違いないだろう。
問題は地区優勝を飾ったうえで、リーグ最高勝率を記録し、ポストシーズンでのホームアドバンテージを得られるかどうかだ。ナ・リーグ西地区はドジャースが一歩リードしているとはいえ、2位ダイヤモンドバックスとは3ゲーム差、3位パドレスとも4.5ゲーム差しかない。両チームとの直接対決も計7試合残っており、まずは3年連続となる地区制覇が当面の目標となる。
昨季オフに大谷がドジャースを移籍先に選んだのは、ヒリヒリした9月を過ごしたいという思いがあったからに他ならない。昨年まで6シーズンを過ごしたエンゼルス時代もポストシーズン争いに加わることがあったが、おおむね夏場には終戦を迎えることが多かった。同じロサンゼルスを名乗るドジャースへ移ったのは大谷にとって必然だったといえるだろう。
大谷の本心はわからないが、やはり個人の記録よりチームの勝利、最終的にはワールドシリーズ制覇を最大の目標に置いているはず。ただ、チームが勝利する確率を引き上げるためには、やはり大谷の活躍が近道となる。ドジャースとしても、優勝とともに大谷の「50-50」という大記録達成を後押しするため、チームの残り31試合すべてで大谷をスタメン起用する可能性は高いだろう。
そうなると、“優勝”と“記録”の2つを追いかける大谷には“疲労”という試練が待ち受けることになる。
今季の大谷はチーム131試合のうち128試合に出場。欠場したのは5月の3試合だけだ。そのうち2試合はダブルヘッダーの2試合目を休養に充てたというもの。つまり、チームの試合があった日にベンチに座り続けたのは1試合のみということになる。
今季は投手として右肘のリハビリ中のため、指名打者としての起用が続く。マウンドに上がることも、守備に就くこともないため、体力的な負担は大きくないはず。ただ、大谷はメジャーで例年9月以降に調子を落とす傾向があり、油断はできない。秋口にドッと疲れが押し寄せるようなら、数試合のベンチスタートがあってもおかしくないだろう。
しかし、地区優勝争いとともに「50-50」にも近づけば近づくほど、簡単に休養を取るわけにもいかなくなる。
3年連続の地区制覇が当面の目標に
“ヒリヒリした9月”には疲労という試練が…
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1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。
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