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「射精するまで陰部を洗い続ける青年がいて…」障害者向け風俗の代表が、ヘルパー時代に目の当たりにした“障害者と性”の問題

夢精だけでは精神的におかしくなる

「重度の身体障害があり、マスターベーションをできないと、夢精するまで我慢するしかなくなります。キャストから報告を受けるのですが、そういう方は、触っただけで射精してしまいます」 性欲は人間の三大欲求の一つだ。性欲を我慢し続けることは、セックスのことしか考えられなくなり、精神にも影響が出てくる。 「中には、四国の山奥からの予約もあります。120分のサービス(24,000円)に対し、宿泊費も込んだ交通費だけで別途15万円支払う人もいます」 その15万円を支払っても解消したいという、性への渇望がある。

障害者だって恋もしたいセックスもしたい

はんどめいど俱楽部のホームページ

「他のデリヘル店ではあり得ませんが、私は、店外デートは禁止しますが、恋人ができないことで悩んでいる障害者の対処療法の一環として、時間内で口説くことはOKにしています」 キャスト女性も、大きく分けて3種類の層がいる。 「キャストには、介護職で障害者の性の問題に関心がある人、障害者フェチの人もいます。障害者フェチの人は彼氏を探しに求人を申し込んできます。フェチにも、おむつフェチ、食事介助フェチなど様々な人がいます。そういう人がカップルになったら認めています」 実際に、1組は結婚し、2組は恋人になった。 「経済的な理由で、一般の風俗店で働いていたが、お客様からの乱暴などで、心痛める思いをしたキャスト女性も求人に応募してきます。障害者風俗ならば、風俗嬢としてのアイデンティティを保てると思って『仕事がなくても在籍させてください』という問い合わせもあります。そういう女性の受け皿にもなっています」 そんなショウ氏が目指すのは、「福祉」ではなく「ノーマライゼーション(厚生労働省も提唱している、「障害のある人が障害のない人と同等に生活し、ともにいきいきと活動できる社会を目指すという理念」)」だという。 現在のはんどめいど俱楽部の顧客層は、30~40代が中心で、およそ15%は施設に暮らしている。コアな利用者は、障害年金を受給しながら、障害者雇用枠で上場企業などに就労している、お金がある人たちだ。 だが、三大欲求の一つである、性欲を満たすサービスは、福祉サービスとして組み入れていくことも必要ではないか。 <取材・文/田口ゆう>
立教大学卒経済学部経営学科卒。「あいである広場」の編集長兼ライターとして、主に介護・障害福祉・医療・少数民族など、社会的マイノリティの当事者・支援者の取材記事を執筆。現在、介護・福祉メディアで連載や集英社オンラインに寄稿している。X(旧ツイッター):@Thepowerofdive1
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