インタビューの最中にまさかのトラブル
※写真はイメージです
先輩のなかには、いい感じに酔っ払っている人もチラホラで現場的にはカラオケなどで盛り上がりを見せていました。彼らの年齢が成人に達していたのかどうかはわかりません……。(
※20歳未満の飲酒は法律により禁止されています)
そんななかで、幹部からこんなお願いがあったんです。
「ティーンズロードさん、今年うちのチームに入った若いヤツをインタビューしてくださいよ」
ということで、3~4人の新人メンバーに意気込みを聞くことになりました。暴走族といっても新人は15〜16歳ぐらいです。インタビューでカメラを向けられれば緊張をして何を言っていいかわからなくなるのも当然ですし、声も小さくなってしまいます。
思わずビデオカメラマンが「
もう少し大きい声で喋ってもらえますか?」と新人メンバーに言ったところ、それを見ていた先輩が「てめー!」と叫びながら、いきなり
その子の顔面をめがけて蹴りを入れたのです。
「そんな気合いの入ってない喋り方をしたら、オレらのチーム全員が舐められんだろ!」
彼をおもいっきりボコボコにしています。それを見ていた他の先輩たちも「てめ~ら! 看板しょってんだから、気合い入れて喋れよコラ! ティーンズロードさんに元気ないって言われてどーすんだコラ!」
そして、他の新人メンバーの子たちまで殴られ始めたのです。先輩たちもテンションが上がっているので、止めるに止められない状態。新人メンバーは謝罪しながら、ひたすら下を向いて耐えています。
その状況を目の当たりにした屋形船の女性スタッフが恐怖のあまりに思わず「キャー!」と叫び続けます。それを見て幹部の1人が「てめ~! キャーキャーうるせえんだよ!」と屋台船の襖をパンチで壊してしまいます。
こうなると、もう取材どころではなく、本当に早く帰りたいと思いました。ただし、逃げたくてもここは水上。どこにも行けません。スタッフたちも、ただただその様子を呆然と眺めているしかない状態でした……。
我に返って頭を下げる幹部「壊れたものは全て弁償します」
私はカメラマンに「カメラを回してると、どんどんエキサイトしていくんでカメラを止めて!」と指示して、幹部にも「このままでは大事になってしまうので、ティーンズロードにも載せるわけにはいきません」と伝えました。
そこからは、ようやく冷静さを取り戻したようで現場も落ち着き始めました。そして、屋形船は岸に戻ってきました。
幹部たちは屋形船のスタッフに謝罪して「迷惑をかけてすみませんでした……
壊れたものは全て弁償しますんで勘弁してください」と頭をさげていました。
新人メンバーたちも軽いケガで済んだようで、私たちもホッと胸をなでおろして、屋形船から降りました。本音としては、すぐにでも現場から立ち去りたかったのですが、じつはこの後、恐怖の第二弾が待ち受けていたのです……。
ふと横を見ると、そこには「酒樽」が置いてありました。
伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』をはじめ、改造車だけを扱うクルマ雑誌『VIP club』や特攻服カタログ『BAMBO』、渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』など、数々の不良系雑誌の編集長を務めて社会現象を起こす。現在は、大洋図書発行の実話誌『実話ナックルズ』のYouTubeチャンネル「
ナックルズTV」や、ギャル男雑誌『men’s egg』をWebで復活させたYouTubeチャンネル「
men’s egg 公式」のプロデューサーとして活躍中。
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