更新日:2024年12月13日 10:30
エンタメ

美山加恋、芸歴22年で得た自信「15年間、積み重ねている感じがしなかった」

『プリキュア』で芽生えた声優としての自覚

美山加恋 ドラマ『デスゲームで待ってる』(フジテレビ系) 舞台『夏の夜の夢』――2017年に放送された『キラキラ☆プリキュアアラモード』では、1年もの長期間にわたり、主人公の宇佐美いちか(キュアホイップ)役を務めました。特別な1年になったでしょうね。 美山:1年間ずっと同じ役をやる経験なんて、なかなかできないですからね。それに、自分といちかがどんどん重なって見えるようになってくるんです。 いちかって前向きだから、最初は「私とは正反対だな」とどこか遠い存在だと思っていたんですけど、話が進むにつれていちかにも抱えているものがあるとわかるんです。「そういう面があるからこそ、ポジティブに頑張れるんだ」と、理解できる。だからすごく愛着が湧きました。 ――美山さんにとってかけがえのない存在になったんですね。   美山:はい。この作品でいちか役になれたことで……やっと、声優としての自覚が芽生えたように思います。 共演しているみなさんと一緒に毎週収録していたんですけど、序盤はまだわからないことが多いこともあって「声優さん方と一緒にやらせていただいている」という意識が強かったんでしょうね。 でも、1年間かけてたくさん学ばせていただけたことで、ようやく「私は声優です」と言えるようになりました。

舞台稽古で受けたショックに心が折れた

――仕事をするうえで、原動力になっているものは何ですか? 美山:お芝居を「楽しい」と思える気持ち、ですかね? これがないと、頑張れないなと。 ――芸能の仕事をしている方は、特にその気持ちが強いかもしれないですね。 美山:もちろん大変なこともいっぱいありますけど、全部やりきったら「あー、楽しかった!」と言える。だからお芝居が好きだし、この先も続けたいなと思えます。 ――最初から「楽しい」と思えていましたか? 美山:そんなことはなかったです。お芝居を楽しいと思えるようになったのは……中学2年生のときに、舞台『太陽に灼かれて』に出演してからだと思います。ちょうど「芝居ってなんだ?」というフェーズに入っていた時期だったので、「私は、芝居をしたいのかな?」と思いながら挑戦した舞台だったんですよ。そうしたら……案の定、稽古で心が折れたんです。 ――グラグラした状態で稽古に入ったばかりに。 美山:というか……私、デビュー作が5歳のときに出た舞台『てるてる坊主の照子さん』なんですけど、それからは映像作品ばかりで。『太陽に灼かれて』が、デビュー以来2度目の舞台だったんです。だから舞台の芝居を全然知らず、基礎の基礎から学ぶことになってしまったんですよね。そこで、「今まで、舞台の芝居を何一つ学んでこなかったんだな……」とショックを受けたんです。
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