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「ファミマの靴下」が異例の“2200万足”販売。海外進出も果たした“コンビニ衣料品”ヒットの裏側

「海外ではクールに見えている」ファミマの色

ラインソックス

看板商品であるラインソックス

「落合さんが最初に手がけたのは、今もコンビニエンスウェアの看板商品であるラインソックスでした。 日本のコンビニは外国の方に非常に人気があり、コーポレートカラーも非常にクールに見えることから、『日本のお客様にもその良さを伝えたい』という思いを落とし込んだデザインになっています。 当初は、社内で何度も見慣れている青と緑のカラーをあしらった商品だったので、『本当に売れるのか?』という疑問の声もありました。 ですが、『最終的にはお客様の判断になる』と判断して販売したところ、通常ならお店で一日一足も売れるかもわからないソックスが、急に『目的買い』で購入されるようになるなど、反響の大きさを感じました」 瞬く間に人気となったラインソックスを含むソックス類は、累計約2200万足(2024年10月末時点)も販売されるほどの定番商品になっている。

季節性をとらえた商品ラインナップとデザインを重視

「スウェットパーカー」も人気商品の一つ

「スウェットパーカー」も人気商品の一つ

コンビニエンスウェアを購入する主な客層は40代の男性・女性とのことだが、今までコンビニで衣料品を買わなかったファッションに感度の高い若年層が増えており、新規層の開拓につながっているという。 加えて、デザイン以外の履き心地や品質の良さにも魅力を感じ、Tシャツや他のアイテムの購買も伸びていったそうだ。 コンビニエンスウェアの商品開発に関しては、素材の段階からデザイン、商品ラインナップまで、落合氏と密に連携しながら進めていると須貝さんは話す。 「Tシャツやソックス、タオル、スウェットなど、幅広い商品を作っていますが、単価の安い高いは関係なく、どの商品も全て同じ熱量でものづくりに取り組んでいます」
パッケージ

「熱量」は印象的なパッケージにも及ぶ。チャック付きで、アメニティケースや文房具入れとしても再利用できる設計

なかでも意識しているというのは、「コンビニビジネスとの親和性」と「アパレルとしてお客様が買いたくなるデザイン」だ。 「例えば、コンビニは夏にすごく売り上げが上がるため、その時期に向けてショートパンツを投入するなど、季節性をとらえた商品ラインナップを心がけています。 加えて、『 いい素材、いい技術、いいデザイン。』のコンセプト通り、高品質でありながら、シンプルで洗練されたデザインと機能性を重視し、日常使いの衣料品としても違和感なく取り入れられるようにこだわっています」
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親会社・伊藤忠商事の存在が「コンビニでの衣料品販売」を下支え
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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