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数年ぶりに帰省したら実家が“ゴミ屋敷”になっていた。「家を出るつもりはない」弟との関係が悪化し…

結婚後も実家で暮らす弟

それは久しぶりに博之さんが実家に帰省したときのことだった。 「普段はめったに帰らないんですが、そのときは地元で高校の同窓会があり、実家に泊まろうと思って母に連絡をしました。すると、母が少し言いづらそうに弟夫婦が今、実家で暮らしていることを打ち明けてきたんです。 弟夫婦は結婚当初、実家の近くで暮らしていたものの、家賃を滞納して追い出され、仕方なく実家に戻ってきたとのことでした。弟の奥さんについてはそのとき初めて知ったのですが、まさか弟と同じくらいだらしない人だったとは思いませんでしたね……」 母親からの話を聞いてしまった以上、ほうっておくわけにもいかず、博之さんは数年ぶりに実家に帰省することにした。そして、そこで驚きの光景を目にすることになる。

ゴミ屋敷と化した実家

ゴミ屋敷

※写真はイメージです

「実家が完全にゴミ屋敷と化していたんです。床には弁当の空き容器やペットボトルが散乱し、排水口は髪の毛で詰まっていて水も流れにくい状態に。さらに、弟夫婦が部屋を占領し、高齢の母親はそのゴミにまみれた環境で暮らしていたんです。それだけでも衝撃でしたが、さらに驚いたのは実家に猫がいたことです。弟夫婦が連れてきた猫らしいのですが、トイレの掃除をしていないのか、家中がひどい悪臭で、猫アレルギーのある僕はそのニオイだけで全身が痒くなりましたね……」 このような劣悪な環境に母親を住まわせておくわけにはいかないと思った博之さんは、母親を連れてホテルに泊まり、今後の対策を話し合ったという。 「弟夫婦との話し合いはなかなか進まず、結局、家を出るつもりはないといってきたんです。なので、母親を引っ越しさせることにしました。幸い、亡くなった祖母の家がまだ残っていたので、そこに母親を住ませることに。その後、母親から聞いた話によると、弟夫婦はほとんど仕事もせず、母親に金を無心していたようです。もはや、呆れて言葉が出ませんでしたね」 母親の引っ越し代はすべて博之さんが負担することになった。この一件で、博之さんと明夫さんの関係は絶縁状態に陥った。それだけではなく「母親にも、弟との縁を切らせました。これ以上、母親が苦しむ姿を見たくなかったんです」と博之さんは語る。 今後、兄弟の関係はもちろんのこと、家族の絆が修復される可能性は、もはや皆無に近いだろう。 <取材・文/結城>
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