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焼肉食べ放題店の元経営者が明かす“裏事情”。注文されると「苦しい/嬉しい」メニューとは――ニュース傑作選

サイドメニューを頼むお客はありがたい?

ワンカルビ

ワンカルビのカルビ

 加えて、お口直しでお肉以外の追加も増えて、単品であれば、15~20%の低原価商品であるキムチ・サラダ・スープ・ホルモンなどにオーダーが集まれば、より一層、お店の利益は上がります。牛肉に飽きて食感や味の変化を求めて、豚ロース・豚カルビ・鶏モモなどもよく注文されており、お店にとっては原価も低いから助かります。  お客さんも牛肉だけでなく、いろいろな部位やサイドメニューが食べられ、トータルでの満足感が増します。お客さんも店側も利益を享受し合える、良好な関係が構築できればいいですね。  ワンカルビでは、一品料理・サラダ系・麺飯類、デザートなどといったサイドメニューにも力を入れており、季節ごとに旬の食材を入手し、その時々の絶品メニューを提供しています。それらが絶妙な来店動機になり、何回通っても飽きのこないメニューの豊富さは、ワンカルビのこだわりとのことでした。  これだけ内容に価値ある焼肉食べ放題を、リーズナブルな価格で、提供できる仕入・調理・提供の仕組みは大したもので、さすがは精肉店直営の焼肉と思います。

頼まれると困る?調達が難しい焼肉の部位

ワンカルビ

ワンカルビのタン塩

 焼肉の中でも、塩タンは売れ筋で好きな人は多いです。しかし、タンは牛から一本しか取れない希少部位ですから、調達も容易ではありません。喉元になるほど鮮やかなサーモンピンクになり、タン先になると赤みを増してきます。一般的には喉元のサーモンピンク側を上塩タンとして提供し、赤みが増したタン先を並タンとして使い分けします。塩タンを追加し過ぎるとタンの色が赤くなる店が多いですね。  以前、別の食べ放題チェーン店で塩タンも食べ放題のプランを注文したら、追加するたびに塩辛くなり、塩を拭取りながら食べた苦い経験がありますが、ワンカルビは問題なく追加のタンも美味しかったです。  先ほども説明しましたが、焼肉業界で100品目近くのフルメニュー食べ放題を始めた店はワンカルビです。現在、焼肉きんぐが注目され勢いがありますが、そもそも、この多品種食べ放題をスタートさせて、業界に衝撃を与えたのはワンカルビでした。それまでは食べ放題を導入する店のほとんどは肉の盛合わせやご飯の食べ放題のみでした。
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メニューや提供内容は法律の保護外?
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飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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