更新日:2025年02月07日 13:53
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「迷惑駐車をやめない」“素行不良の息子”が住む一家。近隣トラブルの末「家を引き払う」ことに

地域の子供からの抗議のメッセージも効果なし

 ところが、住民の中にはささやかな抵抗を試みる者も。ある朝、新藤さんは自宅を出て路地を歩いていると、例の違法駐車のフロントガラスには《あたまの悪い音を出す車の運転手さんへ じゃまなので車を早くどかしてください》と書かれた紙が置かれていたのを目にする。 「どこのお宅かわからないですけど、小学生くらいのお子さんが書いたものでしょうね。うるさいエンジン音のことを“あたまの悪い音”と表現しているのが絶妙すぎて思わず笑ってしまいました」  そんな抗議のメッセージも無視されてしまったが、ここで1人の住民が立ち上がる。古くからその地域に住む年配男性だ。自分たちは息子夫婦に家を譲って田舎に移住していたが、もともと教師だった方で曲がったことが大嫌い。  久々に戻ってきた際、路上駐車が周辺住民に迷惑をかけていることが許せなかったのだ。  新藤さんがその家に真向かいに住むパパ友から聞いた話によると、年配男性は母親が帰宅後の夜に訪問。当日、路上駐車はなかったが、母親は自分たちに非があることを棚に上げ、「こんな遅い時間に来るなんて失礼じゃないですか!」と逆に年配男性のことを責め立ててしまう。  この様子に話が通じないと思ったらしく、母親に「あんたじゃ話にならんから旦那に連絡する!」と言って帰ってしまったそうだ。

数か月後、路上駐車の家は空き家となってしまった……

空き家に「玄関先で話していたらしく、この件もすぐ噂になっていました。しかも、その後本当に旦那さんに連絡したらしく、次の週末には戻ってきて、ウチにも『このたびは息子と家内が……』と菓子折りを持ってお詫びに来ました。奥さんと次男坊は一緒じゃなかったですけどね」  それから間もなく次男坊は一人暮らしを始めたのか見かけなくなり、路上駐車に悩まされることはなくなった。また、さらに数か月には母親も引っ越してしまったそうだ。 「あくまで噂なので本当かはわかりませんが、その夫婦はもともと関係が破綻していたらしく、離婚して家を処分したと聞きました。私も周りの住民も大事にしたくないと思って警察には通報しなかったのにこんなことになるなんて……。  そもそも徒歩5分圏内にはコインパーキングがあり、そっちに停めるようにすればよかったと思うのですが、若かったから駐車場代が惜しかったんでしょうね」  そもそも路上駐車はれっきとした違法行為。通行の妨げになっている以上、やはりプロである警察に任せるのがよさそうだ。 <TEXT/トシタカマサ>
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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