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「ふざけてんのか」Google口コミで誹謗された医師、開示請求した結果“まさかの犯人”に戦慄

法施行から2年以上――開示請求を巡る変化

[SNS開示請求]まさかの真実

弁護士・清水陽平氏

「プロバイダ責任制限法の施行により、開示までのスピードは確かに1~2か月ほど短縮された」と語るのは、SNS・ネット中傷に詳しい弁護士の清水陽平氏。 「施行前は、コンテンツプロバイダ(XやGoogleなど)と経由プロバイダ(ドコモやKDDIなど)に対して、2段階で裁判手続きが必要でした。施行後も基本的な流れは同じですが、経由プロバイダを早く見つけられる制度ができ、通常の裁判よりも早い手続きが導入されたため、開示のスピードが速まったというわけです」

口喧嘩の延長で開示請求する人も

 とはいえ、開示までに至る期間はプロバイダによって異なるという。 「開示請求の件数はXが圧倒的に多いのですが、Twitter社からX社になって法務部の人員が大量解雇された影響か、開示までにより時間がかかるようになっています。一方、インスタグラムなどのメタ社は比較的早い印象ですね。また、開示請求のハードルが下がったせいか、口喧嘩の延長のようなケースの依頼も増えたように思います。アイドルや同人界隈での内輪揉めで、『推しへの解釈の違い』などで争う例もありました」  また、最近増えているのがGoogleクチコミへの誹謗中傷だという。 「『口コミで悪評を流せば相手にダメージを与えられる』ということが周知されたことも影響しているのかもしれません。結局、誹謗中傷は減る兆しがなく、開示請求も抑止力にはなっていないのが現状です」  ネットリテラシーが底上げされない限り、誹謗中傷はなくならないのかもしれない。 【弁護士・清水陽平氏】 法律事務所アルシエン共同代表。SNS・ネット中傷に詳しく、Twitter、Facebookへの情報開示請求を日本で初めて成功させた 取材・文/週刊SPA!編集部
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