更新日:2023年09月04日 09:34
ライフ

1億円横領に3度の離婚、親族トラブル、医学部3回浪人…「ガーシーに大金を貸した医者」の壮絶人生。それでも今、ガーシー被告に“伝えたい言葉”

 年商200億円を売り上げ、3億円のストラディバリウスや自家用ヘリを所有する――。絵に描いたような“成功者”を体現する東京美容外科の統括院長である麻生泰氏。しかし、その成功の裏には、数知れぬ失敗があったという。  麻生氏の著書『もしも、人生を今日からやり直すとしたら 孤独を恐れず自由に生きる法則』(KADOKAWA)では、これまでの同氏の失敗や失敗に対峙した時の対処法などが数多く触れられている。そんな「失敗の達人」が語る人生の挫折や困難の乗り越え方を聞いた。

失敗する人に実は共通する「明確な特徴」

麻生泰氏

麻生泰氏

 3回の医学部浪人や1億円の横領、3回の離婚、親族の裏切り……。数々の失敗を繰り返しながらも、現在は美容外科や発毛専門クリニックなど日本全国に100院以上展開する一方、“ドクターA”としてYouTubeでも存在感をみせる麻生氏。挫折を繰り返す中から得た、成功の秘訣はなんだったのか。 「失敗する人に共通するのは『悩んでいる時間が長い』ということですね。僕も昔から自己肯定感が低くて、いつも悩んでいたんですよ。大学受験したいのに、『俺の実力であの学校に行けるんだろうか』とぼんやり悩んでは、ろくに勉強もしない。そりゃ、結果は出ないし、3浪しますよね」  しかし、途中で「悩んでいても仕方がない」と気がつき、思考を改めたという。 「いつからか、『あの大学にどうせ入れるわけないな』とくよくよしている間に勉強した方がうまくいくとわかったんです。以来、くよくよ悩まず、いま自分にできることに集中するように意識を切り替えました」

「ガーシーさんが出てきたら、一緒に遊びに行きたいです」

麻生泰氏

ガーシー被告の借金約4000万円を肩代わりしたことで注目を集めた麻生氏

 悩みすぎは、失敗の要因となる。なかでも特に注意すべきが「人間関係の悩み」だと麻生氏は考える。 「恋愛や結婚でのパートナーとの不和、親との確執や友人とのケンカなど、人間関係の悩みは、いくら悩んでも答えが出ない。なぜなら、相手があるものなので、自分一人がいくら努力しても変えられませんから」  麻生氏はその幅広い交友関係も有名。「ガーシー」こと元参議院議員の東谷義和被告には4000万円の大金を貸したことでも話題になった。 「人間関係で大切にしているのは『この人は信頼できるかどうか』という点だけです。ガーシーさんのときも周囲からは『あんな人にお金を貸してはいけない』との強い反対もありました。ただ、ガーシーさんについては『この人なら貸したお金を返せる』と思ったし、事実、その言葉通り、彼はお金を返してくれた。これまで僕は何度もいろんな人に裏切られてきましたが、借りたものをきちんと返す人は信頼できると感じています」  その後、ガーシー被告は逮捕されたが、だからといって関係を一方的に終わらせる気はないと麻生氏は続ける。 「今の日本では、失敗した途端、その人を一気に排除する風潮が極めて強い。ガーシーさんについても、捕まった瞬間に悪者にされてしまいました。たしかに、彼のやり方が正しいとは言えませんが、僕はYouTubeのフォロワーを増やしてもらった恩がある。その恩に報いるためにも、僕だけはガーシーさんの味方でいるべきだと思っています。また、僕自身が失敗を繰り返してきた人間なので、罪を犯して失敗した人を過剰に攻め立てる『いじめ』はしたくない。彼が罪を償って出てきたら一緒に遊びに行きたいですね」
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多忙を極めるなか、45歳で音楽大学入学を決めた理由
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