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“あおり運転”してきた車を「白バイの待ち伏せポイント」に誘導、警察に捕まえてもらうまでの一部始終

10分以上もあおり続けるスポーツカー

雪道 本間武司さん(仮名・20代)は大学時代の友人と休日を合わせ、久しぶりにスノーボードをするため隣県へ車を走らせていた。  目的地近くに差し掛かると、先ほどまで吹雪いていた空が嘘のように晴れ、気持ちが高ぶり始めていた。その矢先、前方に白のスポーツカーが左右に蛇行しながら遅いスピードで走っていたという。 「運転していた友人は何気なく追い越し車線からそのスポーツカーを追い抜き、左車線に戻ったんです。すると後方から、クラクションの音が連続で鳴り響いてきました」  その異常な音に事故かと思い後方に視線を向けると、先ほど抜いたスポーツカーが車間距離をぎりぎりまで詰め、クラクションを鳴らし、パッシングを繰り返していたのだ。 「私も友人も変な運転をした認識がなく、スポーツカーを無視して走行を続けました。しかし、数キロ走り続けてもスポーツカーは、一向にあおり運転をやめる気配はありません。警察に通報しようかと話していましたが、すぐ先にサービスエリアを見つけました」  その間、あおり運転は10分以上繰り返された。 「サービスエリアに入り道を譲れば、相手も諦めるだろうと安易に考えてしまった」と話す本間さん。そのままサービスエリアに入ることにしたのだが、そんな希望も虚しく、スポーツカーも本間さんたちの車を追うようにサービスエリアへ進入した。  しかも、向かい側の枠に車を止め、運転手が睨みながら駆け足で向かってきたという。

“真っ白い格好”をした運転手に天罰が…

「運転手は40代くらいの男で、全身真っ白い格好でした。男は私たちの車の横に立って、大声で怒鳴り散らし、窓を開けろというジェスチャーをしてきました」  友人が窓を開けると男は大きな声で、「俺の車を抜かすとは何事だ? しかもこんな、しょぼい車で……」と、車のタイヤを蹴り始めたそうだ。相手の言動からまともに会話ができないことを察した本間さんたちは、男に対し謝罪することにした。すると……。 「私の車の内装は真っ白で、運転中も靴を脱ぐなど気を使っている」 「今度から、追い越す車両は選ぶように」  男は本間さんたちが下手に出ると気分をよくしたのか、今度は自身の車について語り始めたようだ。本間さんたちが唖然とする中、男は車のうんちくを延々と語ったのち、満足したのか自身の車に戻っていった。 「そのとき、男は何かにつまずき、ド派手に転んだんです。先ほどまでの雪が日差しで溶けて、地面は泥だらけでした。真っ白い服は黒く汚れ、見るも無残でした」  男は恥ずかしそうにしながら、そそくさと自身の車に乗り込み、サービスエリアを後にした。 「先ほどまで靴すら脱いで運転するほど綺麗に乗っていた白い車に、全身泥だらけで乗り込む姿を見た私たちは大爆笑し、気持ちよく運転を再開しました」 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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