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“あおり運転”してきた白い箱バンが後ろから追突、若い男性の運転手が警察に捕まるまで

何気なく抜いた車が後ろにピッタリとついてきて…

警察 田中美雨さん(仮名・40代)は、片側一車線の道路を走っていたときに“あおり運転”に遭遇した。 「いつものように穏やかなペースで運転をしていましたが、前の車が急に止まってしまいました。『何かあったのかな?』と思いながらも、その車を追い抜いたんです」  何気なく追い抜いた田中さんだったが、その瞬間から車が後ろにピッタリとくっついてきた。 「最初は偶然だと思っていました。だんだんとその車の距離が縮まり、気づけば完全に“あおられている”とわかったんです」  その車は、車間距離をギリギリまで詰め、何度もクラクションを鳴らしてきたという。途中、周囲に車や人がいないことを確認しながら、田中さんはウィンカーを出さずに右折や左折を繰り返した。 「ダメなことはわかっていたんですが、あおり運転の車を振り切るにはその方法しか思いつきませんでした。でも、その車はずっとついてきて、完全に“ターゲット”にされていることを確信しました」  自分があおり運転されるとは思ってもみなかった田中さん。次第に恐怖がわいてきた。 「10分くらいあおられたと思います」  すると、信号待ちをしていた際に、田中さんは“あること”に気づいた。

“もしも警察署がなかったら”と思うとゾッ

「ナビを確認したら、近くに警察署があることがわかりました。何かがあってからでは遅いので、思い切って警察に連絡して、あおり運転のことを報告したんです」  警察からは、「駐車場で待機するので、そこに入ってきてほしい」と言われたそうだ。その言葉を聞き、田中さんは警察署に急いで向かったという。しかし……。 「あおり運転の車は警察署を通り過ぎていきました。私は警察に車のナンバーを伝えました」  警察署の敷地内には、3人の警察官が待機してくれていた。田中さんは状況を報告し、やっと落ち着くことができたようだ。 「警察署に逃げ込んだことで、あおり運転から逃れられましたけど、警察署が近くになかったらと思うと“ゾッ”とします」  この出来事を通じて、「危険な事態に遭遇しても冷静に対応することが大切だ」と改めて感じたという。  自己中心的な運転が思わぬ事故につながってしまうのだ。私たち一人ひとりが交通ルールを守り、周囲に配慮して運転する必要がある。 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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