ライフ

銀座で働いたタイ人が驚いた“日本のサービス業の奥深さ”「タイでは注文通りに仕事をすれば合格だけど…」

お洒落な東京を満喫する日々

東京タワー

東京タワーをバックに記念撮影

外国人も多く訪れる有名店でのインターンは1か月間続きました。10代から独学で日本語を勉強していたファビアーさんですが、この期間にブラッシュアップしました。 ファッションやアートにも強い興味があるファビアーさん。インターン中、休みの日には美術館やブティックを見て回ったそうです。
レトロな建物

レトロな建物が超お洒落!

「日本のファッションデザインは他にはないユニークさがありますよね。すごいのは、町のどこを歩いていても“アート”に出会うことです。美しいイルミネーションやレトロな建物、マンホールまでアートですね」
マンホール

マンホールまでデザインが施されていることに驚き

東京のお洒落なカルチャーを100%満喫していたが、都会ならではの人との距離感に少し寂しさを覚え始めていました。

柴又の下町人情に“故郷へ帰ったような気分”

寅さん

寅さんと一緒に記念撮影

そんなファビアーさんの寂しい心を埋めてくれたのが葛飾柴又。そう、あの「男はつらいよ フーテンの寅」の寅さんの町です! 「日本に興味を持ち始めた頃から、日本語についての本を読み漁ったり、映画も観ていました。もちろん寅さんシリーズもです。そこから柴又を知りました。昭和の風情を残す町ですよね。実際に訪れてみると本当に素敵な所でした!みんな気さくで心が暖かいんですよ!」 柴又では上達した日本語を駆使して、たくさんの人と言葉を交わしたといいます。 「私の赤い髪の毛を見たおばさんが『あら、キレイね~』と言ってくれたり、おせんべいをおまけしてくれたり。あと神社でおみくじを引いたのですが、当然、読むことができなくて困っていたら、『これ大吉!ナンバー1グッドラックね』とおじさんが説明してくれたり」
下町

下町の人々の優しさにホッとしたという

そういった人々との交流で、ファビアーさんは故郷のタイを思い出したそうです。 「“微笑みの国”と呼ばれるタイでは、やはり、人々が気さくなんです。柴又のように、『ご飯もう食べた?』とか、いろいろ声を掛け合うんですよ」

四季と食材に旬がある素晴らしさ

東京だけではなく、日本各地をファビアーさんは訪れました。 「北海道でスキーに挑戦したり、大阪で食い倒れしたり、京都で着物を着たり、神戸で和牛を堪能したり、別府で温泉でくつろいだり、各地それぞれに素晴らしさがありますよね!」
着物

京都で着物をレンタル、素敵な思い出になった

また四季があるのも日本の良さだといいます。 「タイの季節は基本“暑い”か“すごく暑い”です(笑)。日本では四季折々で風景が変わりますから、何十回来ても新しい発見があります。時期に応じて旬の食材がいろいろあるのも、また楽しいですよね」
おでん

寒い冬に食べるおでんが最高だった

「日本というとハイテクでお洒落なイメージが強かったのですが、東京にも昔ながらの人情あふれるレトロな町があり、地方にもその土地ならではの良さがあり、まだまだ知らない魅力に溢れていると思いました。日本はとても奥が深いです」 <取材・文/梅本昌男(海外書き人クラブ/タイ在住ライター)>
バンコク在住のフリーライター。タイを含めた東南アジア各国で取材、JAL機内誌スカイワードやアゴラなどに執筆。観光からビジネス、エンタテインメントまで幅広く網羅する。NHKラジオなどへの出演も行っている。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。
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