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「タイのアイドルはみんな知っている」世界最大級のアイドルイベント「TIF ASIA TOUR 2023」現地ルポ

 2010年は品川、また2011年からはお台場・青海周辺エリアで開催されている「TOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)」。2022年は8月5~8日の3日間の開催で日本内外の約5万5000人の観客(来場3万人、オンライン視聴2万5000人)が集まる世界最大級のアイドルイベントです。
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タイの国民的アイドルグループと呼ばれるBNK48。©DearStage

 じつはその「TIF」、日本だけでなく海外にも進出。フランスでは2015年にジャパンエキスポ参加、タイでは2018年に「TOKYO IDOL FESTIVAL in BANGKOK COMIC CON」、2019年に「mini TIF in Bangkok」、 2021年に「TIF ASIA TOUR KICK OFF」を開催してきました。  そして、今回、「TIF ASIA TOUR 2023」と名づけられたツアーは台北(1月28日)とバンコク(2月2日)の2か所で開催されました。
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日本から出演のでんぱ組.inc。秋葉原に拠点を置く2009年結成のグループだ。©DearStage

 さて今回取材してきたのはタイ。ここで開催されるのは今回で3回目です。日本からはでんぱ組.inc、アップアップガールズ(2)、FES☆TIVE、JamsCollection、タイからはBNK48、Siam☆Dream、SUMOMO、Euphonie☆といった人気アイドルたちが出演。イベントにやって来たタイ内外のファンや主催者に話を聞きました。

タイ内外のファンやTIF主催者を直撃

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会場となったのは若者の町サイアム・スクエアにあるショッピングモールの中のイベントホール

「バンコクの渋谷」的存在のサイアム・スクエア、近くに名門大学があったりすることから若者が集い、音楽やファッションなどの発信地となっています。今回のイベントの舞台となったのは、そこにあるイベントホール。  開場前、そこには多くのアイドルファンたちがすでに集まっていました。 「お台場のTIFにはもう3回も行ったよ! お金がすごくかかる。でも、今回はタイで開催だから嬉しいよ(笑)。その分、アイドルとのチェキ撮り(ツーショット写真)にお金を回せる!」と興奮するのはTIFリピーターのファン。

東南アジア各国からアイドルファンが集結

 入場料金は1200バーツ(約4600円)。ちなみに、バンコクの最低賃金は1日353バーツ(約1370円)で、物価はだいたい日本の3分1。となると約4600円の入場料は日本の感覚からしたら1万5000円くらいになりますが、それでもファンたちが「安い」というのは彼らが中上級層に属しているからです。同様にブームである日本食も同じような層に支えられています。
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地元タイや近隣諸国のアイドルファンたちがこのイベントのために集まった

 一方、タイ国外からの人も。フィリピンから来たというファンは「僕の国ではこういうイベントが開催されないからタイへ来たんだ。日本は物価過ぎて行けないしね」と言います。他にもマレーシアやインドネシアから来ている人も。  また日本グループのファンたちも遠征でタイへ来ていました。「コロナ禍でなかなか海外旅行ができなかったから、今回はちょうど良い機会でした」。
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TIFの総合プロデューサーが語る「タイでの開催」
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バンコク在住のフリーライター。タイを含めた東南アジア各国で取材、JAL機内誌スカイワードやアゴラなどに執筆。観光からビジネス、エンタテインメントまで幅広く網羅する。NHKラジオなどへの出演も行っている。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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