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「1000万円返ってこない後輩も」元セクシー女優が語る、“ギャラ未払い問題”が起きるワケ

業界すべてを見張る団体とAV新法の改正が必要

――いま求められるのは、事務所と女優さんが問題なく活動しているかをチェックする機関でしょうか。 かさい:事務所に限らず、業界すべてを見張る団体が必要だと思います。でもそれは難しいので、むしろせっかく作ったAV新法を、もっとセクシー女優を含め、クリエイターが安心して活動できるような内容に改正してもらったほうが良いかも、と考えていますね。 そうすれば、法律が見張ってくれるので、なにかがあったら「法律違反です!」って訴えやすくなるじゃないですか。それが現状では、正しい姿なんだと思います。 もし現在トラブルに巻き込まれている女優さんがいたら、映像実演者協議会に相談してください。

憧れの紅音ほたるの遺志。後輩を守り続ける覚悟

紅音ほたるさんと

左がかさいあみ、右が紅音ほたる

――かさいさんは、なぜ引退した現在もさまざまな活動を続けているんですか? かさい:私、セクシー女優の紅音ほたるちゃんに憧れて、この業界に入ってきたんですよ。それまでアイドルをしていたんですが、もともとファンだった紅音ほたるちゃんと知り合って、バックダンサーなどをして仲良くなったんです。 ――紅音ほたるさんは、今でも語り継がれる伝説のセクシー女優的な存在ですよね。 かさい:彼女は、セクシー女優の活動だけじゃなくて、エイズ撲滅運動として渋谷の街で毎週コンドームを配布する活動をずっとしていたんです。 AVで正しくない知識を身に付けた女の子が、悲しい目に遭わないようにって。あとセクシー女優のセカンドキャリアの問題にも取り組んでいました。そんな姿に憧れて、私もデビューしたら彼女と一緒に活動しようと思っていたんですけど、紅音ほたるちゃんは亡くなっちゃいました。 ――2016年でした。 かさい:もし紅音ほたるちゃんの存在がなかったら、もう引退した業界なんだから、とっくに離れていますよ。 だから私が現在も業界で活動しているのは、彼女の遺志を継ぐつもりだから。セクシー女優の後輩たちを守りたい、そう考えて活動を続けようと思っています。 <取材・文/蒼樹リュウスケ 撮影/林紘輝>
単純に「本が好きだから」との理由で出版社に入社。雑誌制作をメインに仕事を続け、なんとなくフリーライターとして独立。「なんか面白ければ、それで良し」をモットーに、興味を持ったことを取材して記事にしながら人生を楽しむタイプのおじさんライター
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