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好調の「資さんうどん」が都内1号店をオープン。業界首位「丸亀製麺」の脅威になるか

丸亀製麺の強さは“人”にあり

丸亀製麵

丸亀製麺 tamayura39 – stock.adobe.com

丸亀製麺のオペレーションはDXに依存せず、人を大切にするトリドールの精神が社内に浸透しており、従業員が経営に参画する体制を構築しているのも強みのひとつだ。 セルフサービスのスタイルではあるものの、単にうどんを提供するだけでなく顧客に感動価値も提供するなど演出力の強化に力を入れている。従業員にもモチベーションの向上に向け、麵職人制度を導入し、労働意欲を喚起に力点を置く。 麺職人の全店配置による品質訴求を徹底しており、2024年2月に全店に麺職人の配置を完了している。資格取得後もそれに満足せず、技術向上のため、日々研鑽を積む社風のようで、こういった強固な人的資源も競争優位の源泉だ。 お客さんも自分が注文した料理の出来上がりを行列に並びながら待っているが、その間、製麺・調理シーンを見て楽しんでいるから待つ間も苦にはならない。

店舗改装と商品開発も順調

調理シーンだけでなく、生地熟成庫、小麦粉見本、製麵機の製造シーンなどを見やすく配置されている。 全店に製麺所を設置したうどん店は、他店にない明確な差別的要素になっており、これらが2位以下を引き離す原動力になっているようだ。 テイクアウトなどの新たなオペレーションに対応した改装と、本格的な製麺所の風景を再現した改装を同時に実施し、改装した店舗売上は改装前と比較して、平均15%以上増加しているようだ。 肝心の商品力も、季節ごとのフェア商品をさらに強化しており、人気商品、新作を続々投入しており飽きの来ないようにしている。 丸亀うどん弁当、丸亀シェイクうどん、丸亀うどーなつなどテイクアウト売上も売上構成比12%と好調だ。基本メニューも広げす過ぎず、適切に絞って運営効率を高めており、これが事業利益率16%と高収益の要因だと推察する。
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“ファミレス型うどん店”として差別化を図る
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飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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