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好調の「資さんうどん」が都内1号店をオープン。業界首位「丸亀製麺」の脅威になるか

不足する業態はM&Aで補うすかいらーく

うどんとミニ丼のセットが定番

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すかいらーく本体の2024年12月決算は、売上4,011億円(前年比+463億円)、営業利益242億円(前年比+125億円)、営業利益率6,0%(前年3,3%前年比+2,6%)と増収増益となり好調に推移している。 特に利益率の好調要因は、主要経費の原価率が物価高騰の煽りを受けながらも、約3000店規模の調達でスケールメリットの発揮、10カ所ある自社工場による食材の内製化、物流インフラの活用、適切な粗利ミックスで32,6%(前年、32,4%)と安定的に管理できている点が大きい。 主要財務指標であるROEも8,3%と前年3%から大きく改善し、東証の推奨する8%を達成できている。 すかいらーくは自社で不足する業態は、M&Aを積極的に活用し、スピーディーに傘下に加える経営方針だ。業績が好調な今が、資さんうどん買収の絶好のタイミングだったのだろう。 すかいらーくとしては、資さんうどんが傘下に入ったことで、空白だった領域をカバーできた。多種多様なブランドを傘下に有し、そのブランド・ポートフォリオ管理も徹底している。

資さんうどんはすかいらーくの“イチオシ”で間違いない

会長の谷氏が九州に出張する際は必ず行くというくらい惚れ込んだ資さんうどん。 年間売上123億円(23年実績)の資さんうどんの買収金額は240億円とのことだが、事業規模から考えて相当な期待を含めた買収価額だったのだろう。 資さんうどん側も全国展開を考えており、すかいらーくの豊富な経営資源を活用した方が得策だと、お互いの思惑が合致した。 今回、関東進出であれだけ注目され、オープン日の本部スタッフの店舗支援の様子を見ると、よほど資さんうどんに力を入れているのが分かる。関東進出を機に快進撃が始まりそうな気配がする。 すかいらーくは、昨年、売上増大とカニバリ解消を目的に、ガストなど55店舗を業態転換し、売上伸び率146,6%、カニバリ解消が6,6%と結果を出している。 これからも、既存の約3,000店の店舗を活用し、成長ブランドである資さんうどんに業態転換する店が増えそうだ。よりスピーディーな展開を実現しそうで、丸亀製麺も戦々恐々としているのではなかろうか。 <文/中村清志>
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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