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26歳の平祐奈が“11歳からの芸能生活”を振り返る。姉・平愛梨の“独特な演技指導”が追い風に

一見、対照的に映る入巣とルカだけど

入巣とルカ

(C) 石黒正数・徳間書店/映画『ネムルバカ』製作委員会

――入巣とルカの空気感がとてもよかったですが、石黒正数さんの原作が描かれたのは10年以上前です。 平:今読んでも全く違和感がないなと。夢を追いかけているルカと、夢がない入巣。 どちらも必死に生きているふたりの日常生活が描かれていて、誰もが通る道だな、共感できるなと感じましたし、一見、対照的なふたりと思いきや、心の底にあるものは共通しているんだろうなと感じました。だから一緒にいて違和感がないし、お互いを補いながらバランスを取りあっているんだろうなと。 ――“共通”していることというのは。 平:お互い、自分に自信がないんですよね。入巣は「どうしたらいいんだろう」と口に出して言うタイプ。ルカはやりたいことは明確にあるし、そうは見えないかもしれないけれど、「自分には才能がないのだろうか」と日々もがいている。 そしてお互いに、気づいてはいないかもしれないけれど、お互いのいいところを認め合っている。そこがまたいいなと思いました。

自分はルカタイプだけど、友達の悩みは身近だった

自分はルカ

(C) 石黒正数・徳間書店/映画『ネムルバカ』製作委員会

――田口(綱啓永)と伊藤(樋口幸平)を含めた同世代4人のシーンでの「やりたいことがある人(ルカ)と、それがない人(入巣)。そのほかに何をやったらいいのか分からない人が8割いる」との会話に、共感する人も多いと思います。平さん自身は、どんな大学生活でしたか? 平:私自身は11歳からこの世界に入って、ずっと夢を追いかけてきました。なのでどちらかというとルカの気持ちのほうが共通する部分があると思います。 大学生活は仕事をしながらだったので、苦労というなら、卒業するにはどうしたらいいか、「卒論どうしよう」といったものでしたね。お友達や友達とのキャンパスライフは楽しめました。 ――周りのお友達で悩んでいる人は? 平:いました。私、大学最後の1年間がコロナ禍でのリモート授業だったんです。みんなが就職活動を始める時期からコロナ禍になって、学校に行けなくなってしまった。 「どうしたらいいの」と悩んでいる子は本当に多かったです。やりたいこと、行きたい道があるのに行けなかったり、進んでいたのに、またイチからスタートしなければいけなかったり。そういう子はたくさんいました。
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自分は何をしたらいいんだろうと自問自答した日々
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ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

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