エンタメ

26歳の平祐奈が“11歳からの芸能生活”を振り返る。姉・平愛梨の“独特な演技指導”が追い風に

自分は何をしたらいいんだろうと自問自答した日々

自問自答した日々――芸能界もそれまでと違う状況におかれました。 平:そうですね。撮影が延期になったり、全くなくなってしまったり。緊急事態宣言のあった丸1カ月、外に出られなかった。そんなこと初めてでした。みなさんそうだったと思います。 あの時期、人生で初めて自分自身とちゃんと向き合って自問自答しました。「何をしたらいいんだろう。何をするべきなんだろう」と考えて、「私は普段からエンタメの力に救われているし、自分もその立場でありたい」と強く思いました。 ――ご家族ともリモートでやりとりされていたのでしょうか。 平:普段は母と住んでいるのですが、緊急事態宣言の直前にちょうど母が実家に帰っていて、戻ってこれなくなったので、本当に家でひとりになりました。丸1カ月間もひとりきりになったことなんてありませんでした。普段は家に帰ったら喋る相手が必ずいましたから。 寂しくなってるウサギさんみたいで、どうしていいか分からなくて、最初はすごく戸惑っていました。でもその時間があったから、自分を見つめ直したり、やるべきこと、やっていきたいことを考えることができました。

久保とはプライベートでもよく会う仲に

久保史緒里との関係性

(C) 石黒正数・徳間書店/映画『ネムルバカ』製作委員会

――これまでひとりでいることはなかったとのことですが、親御さんや6人兄弟という環境で育ったことは、人間関係を築いていくうえで影響していると感じますか? 平:そうですね、感じます。私は兄弟がみんな年上です。一番上が19歳上で、一番近くても8つ上。なので、年上の方と打ち解けられることが多いです。今回、同年代のしーちゃん(久保)と、プライベートでもよく会うくらい仲良くなれたのは、かなり珍しいことでした。 ――久保さんとは、どうしてそんなに仲良くなれたのだと感じますか? 平:しーちゃんが人見知りなので、初対面のときはまさかここまで仲良くなれるとは思っていませんでした。でもルカと入巣が先輩後輩の関係だったので、撮影期間もずっと先輩後輩の関係性でいられました。いつもの私は、そんなに役に引っ張られることはないんですけどね。 でも今回は入巣のことが大切で、「この子を守らなきゃ!」みたいな気持ちがあって、現場にいる間、ずっと強くいられたんです。しーちゃんが「私が現場で困っているとき、自然と声をかけてくれた」と言ってくれているんですけど、それもルカだったからできたんだろうなと。 馬が合ったことはもちろんですが、仲良くなれたきっかけは最初に先輩モードになれていたからだと思います。
次のページ
平愛梨は姉、友達、お母さん。そして芸能界のよき先輩
1
2
3
4
5
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

記事一覧へ
(C) 石黒正数・徳間書店/映画『ネムルバカ』製作委員会
『ネムルバカ』は全国公開中
公式サイト https://nemurubaka-movie.com/