ライフ

「父が人生をめちゃくちゃにした」38歳会社員が決断した“家族との絶縁”。3000円の指輪で支えてくれた妻に感謝

生まれたときに相手を選べず、それゆえ悲劇も起こりやすいのが親子関係。近年では子どもの側から親に見切りをつけ「家族じまい」をするケースも増えている。子はどんな瞬間に親との絶縁を決意するのか? 実の父親に見切りをつけ、結婚を機に名字を変えた30代男性のケースを紹介する。

山村琢磨さん(仮名・38歳)。温厚な雰囲気だが、実の父親への怒りは深い

父の会社を承継する約束が…

山村琢磨さん(仮名・38歳)は都内在住の会社員。現在は実家を出て、妻と子と一緒に暮らしている。 家族との絶縁を決意したのは、約2年前。山村さんはもともと、父親が経営する会社の社員として働いていた。父親の退職後、山村さんが会社を継ぐ約束になっていたが、その意思を父が覆し、約束を反故にされてしまったことがきっかけだった。 「父が退職を撤回したのは、昔からの得意先への代替わりの挨拶回りや、オフィスのリフォームの見積もりまで済ませていたタイミングでした。今、方針を撤回するといろんなところに迷惑がかかると伝えても、一切聞く耳を持たない。そればかりか、『嫌ならお前が会社を辞めろ』と交渉の余地もありませんでした。 それまでも父親から理不尽に当たり散らかされることはあったものの、会社からいなくなれば、揉める機会も減るだろうと我慢していたんです。言ったことを翻す身勝手さにあきれ果て、これ以上ストレスになるなら離れたほうがいいと感じ、退職を決意しました」

他責思考が強い父親に嫌気がさしていた

もともと、山村さんと父の関係はあまり良好ではなかったという。 「他責思考が強く、悪いことがあったら人のせいにする。気に入らなければキレて泣きわめき、ひどい場合は殴ってくるようなタイプでした。 それに加えて自分が決めたことは何を言われても変えない頑固さもあり、間違いを正しても聞く耳を持たない。母親も『お父さんの言うことを聞きなさい』と絶対に反抗しないので、社員は泣き寝入りするしかありませんでした。 僕は家族であり、仕事で関わることも多かったので、その横暴ぶりを一番近くで味わっていたと思います」
次のページ
婿入りし、名字を変えることを決意
1
2
浅く広くがモットーのフリーライター。紙・web問わず、ジャンルも問わず、記事のためならインタビュー・潜入・執筆・写真撮影・撮影モデル役など、できることは何でもやるタイプ。Twitter:@matsushima36

記事一覧へ
おすすめ記事
【関連キーワードから記事を探す】