「貧乏に苦しむのは自分までにしたかった」“世帯年収300万円台の家庭”から東大合格した学生が“受験の意味”を語る
―[貧困東大生・布施川天馬]―
最近の大学受験生は、受験を「やらなければならない面倒臭いもの」だと考えている。
これは、最近お話を伺った教師歴35年のベテラン先生の言葉です。昔は、「ここで頑張って受験して、人生を逆転させてやろう」とガツガツした受験生もいたけれど、最近はほとんどいない。
むしろ「面倒だから年内に決めたい」「行けるところに行ければいい」と、安易に年内入試、つまりは推薦・選抜入試に逃げるケースも多いのだとか。「受験のために努力する」ことが時代遅れになっているのだそうです。
そうして努力しなかった結果、偏差値が低く誰でも入れるような、所謂「Fラン大学」へ流れ着く。
大学のネームバリューが強くないのに、当人はもちろん、親も「大卒ならいい就職先があるだろう」と安易な考えで、奨学金まで借りて入学する。もちろん就職は難航し、あとには借金だけなんてケースもあるそう。
私は「そんなのは間違っている」とか「受験はもっと真剣にやるべきだ」と説教する気はありません。ただ、「自分の受験とは全然違う」とも感じます。今回は、受験期ということで、いつもとは異なりますが、私の受験生時代についてお話ししたいと思います。
東大か高卒か。限られていた選択肢
母親の抗がん剤治療と受験が重なった
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1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa)
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