【日刊ダルビッシュ】次回先発予定のアナウンスに記者席騒然
―[日刊ダルビッシュ]―
地区優勝までマジック5となっていたテキサス・レンジャーズ。24日からはじまった眼下の敵、2位アスレチックスとの首位攻防戦、第1戦は劇的なサヨナラ勝利を収めるも、次の2試合に連敗。思わぬ足踏みに日刊SPA!特派員も地団駄を踏んだ。ホームで優勝を決めてもらうためにも、今日は是が非でも勝ってもらいたい!
◆【9月27日】「ダルビッシュ30日先発」の吉報に現地メディアは騒然!
昨日はアスレチックスが初回に5点を奪い勝負を決めたが、この日はレンジャーズがお返しとばかり初回に5得点。アスレチックスも反撃に転じ徐々に差を詰めていくが、最後はレンジャーズが9-7で逃げ切り辛勝。首位攻防戦を2勝2敗で乗り切ったレンジャーズは、地区優勝までのマジックを「3」に減らした。この4連戦を悪くとも3勝1敗で終えたかったアスレチックスは、かなり苦しい状況に追い込まれた。
明日からは、エンジェルスとの3連戦がはじまるが、気になるのはダルビッシュの状態。「日刊ダルビッシュ」と銘打ち、テキサスまではるばる駆けつけた特派員としては、ダルビッシュが投げてくれないと江戸に帰るに帰れない……。試合前に行われたワシントン監督の会見では、開始早々、各記者から矢継ぎ早にダルビッシュの状態や、次回登板予定を問う質問が飛び交い、改めてダルビッシュの注目度の高さを肌で感じた。
試合前のワシントン監督は、ダルビッシュの登板予定について明言はしなかったが、それから数時間後、試合途中のプレスボックス(記者席)に突如アナウンスが流れた。
「ダルビッシュが順調に回復すれば、日曜日のエンジェルス戦で先発する」と、球団広報からの速報が、2度繰り返された。その瞬間、それまで静かだったプレスボックスの記者たちが、一斉にキーボードを叩く音が響き渡った。彼らは重要な最新情報を仕入れると、まず各々のツイッターで発信するのだ。ダルビッシュの登板予定に関する情報が、まるで緊急速報のようにリアルタイムで全米中に発信されたのだ。
改めてダルビッシュがここテキサスでいかに話題性の高い選手であるかを目の当たりにしたわけだが、それ以上にダルビッシュが、ファンから愛されている選手であることをこれまでの4日間で実感している。
ダルビッシュが先発予定だった滞在2日目のルポ(https://nikkan-spa.jp/299205)では、背番号「11」のジャージを着たファンが多いことを紹介したが、ダルビッシュの登板予定はない昨日や今日でさえも、場内で何人もの「11」を見かけた。
よく考えると、これは本当に凄いことだ。というのも、投手は野手と違って毎日試合に出ないため、ことアメリカでは投手の背番号や名前の入ったジャージを着ているファンは非常に少ない。あくまで感覚値だが、ここアーリントンの野球場で見かける名前入りジャージの9割近くは、ハミルトンやキンズラーら、野手ばかり。そんな中でダルビッシュの「11」は、異例といっても良いほどの比率でよく見かける。
ここで特派員による、2012年のテキサス・レンジャーズの人気ランキングを発表したい。この4日間球場のファンの「選手別ジャージ着用度合い」を眺める限りだと、ダントツの一番人気は「32」主砲のジョシュ・ハミルトン。文字通り老若男女問わず、多くのファンが背番号「32」を着ている。
ハミルトンに続くのが、チーム屈指の甘いマスクの持ち主、イアン・キンズラー。背番号「5」がプリントされたTシャツにホットパンツというスタイルは、テキサス・ギャルの定番だ。そんなキンズラー、今日は先頭打者ホームランでレンジャーズを勝利に導いてくれた。
そしてこの2人に続いて多く見かけるのが、ダルビッシュの「11」。着ているファンは女性が多いかと思いきや、意外なことに若い男性ファンが多い。キンズラーがいかにもアメリカの青春ドラマに出てきそうな「イケメン」なのに対し、ダルビッシュは米国のファンたちからすると、独特のエキゾティックな雰囲気があり、女性よりむしろ男性の方が魅力を感じるようなマスクなのかもしれない。
少し話は逸れたが、とにかくテキサスでのダルビッシュ人気は、我々が日本で想像する以上のものと言っても過言ではない。登板しなくとも、これだけ多くのファンが背番号「11」を着ているのだが、ダルビッシュがマウンドにいるときの熱狂はさぞ凄いのだろう。30日は無事登板してくれることを祈るばかりだ。
<取材・文/日刊SPA!テキサス臨時支局&NANO編集部>
海外サッカーやメジャーリーグのみならず、自転車やテニス、はたまたマラソン大会まで、国内外のスポーツマーケティングに幅広く精通しているクリエイティ ブ集団。「日刊SPA!」ではメジャー(MLB)・プロ野球(NPB)に関するコラム・速報記事を担当。今回はテキサスレンジャーズに密着。地区優勝まで 現地から精力的にリポートします!
―[日刊ダルビッシュ]―
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