増税ありきの小手先バブルは崩壊する!?

マネーな人々 今週の銭格言
【選者】政治経済学者 植草一秀氏

定数480に対して自民は294、公明を合わせて325議席を確保し、圧勝した今回の衆院選。市場は金融緩和推進、金利低下、円安・株高の反応を示し、幸先のいいスタートを切ったかに見える。だが、そこには隠された盲点が存在する

◆好スタートを切った安倍自民。だが、最低得票率には“アベノミクス”の落とし穴が潜む【後編】

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 金融市場では、自民圧勝のイメージから先行き楽観論が浮上し、安倍政権の経済政策を「アベノミクス」と称してはやし立てる動きを強めているが、手放しの楽観は危険だ。安倍政権は政権発足後、直ちに大型補正予算を編成する方針を示している。しかし、これは財政危機で大型増税が避けられないとのこれまでの政府説明と矛盾する政策立案である。

 安倍政権が経済再生を優先して消費税増税先送りも辞さない覚悟で景気対策を発動すれば、日本経済への楽観論はますます広がるだろう。だが、増税を実現するために、目先の経済を小浮上させるだけに終わるなら、すぐに景気回復のメッキは剥がれることになる。

 景気回復と財政再建のいずれに軸足を置くのかは、いまだ判然としない。また金融緩和持続は当然だが、日銀法改正などを含む政府の日銀支配化は、副作用が大きい。

 今回の自民党消極支持の現実を踏まえると、’13年夏の参院選の結果は不明瞭だ。日本経済の目先良好・中期不透明に要注意である。

【今週の数字】
得票率
27.7%
自公で衆院3分の2以上の議席を確保するという圧勝に終わった安倍氏率いる自民党。しかし、第一党の自民党の得票率は27.7%と小選挙区制開始以来、最低水準。このことを考えると、先行きは不透明と言えそうだ

植草一秀【植草一秀氏】
シンクタンク主席エコノミスト、大学教授などを経て、現在はスリーネーションズリサーチ(株)代表取締役。ブログ「植草一秀の『知られざる真実』」も人気。著書に『消費増税亡国論』(飛鳥新社)




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