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死にも直結する「睡眠時無呼吸症候群」は完治するのか? 居眠り運転、心筋梗塞まで引き起こす

 毎晩続く熱帯夜。睡眠は我々の人生の3分の1を占める行為なだけに、心身へとダイレクトに響く。「疲れが取れない」「体がダルい」。起床時にそう感じるのは、深刻な事態の一歩手前かもしれない。また、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」という病名が認知されてから久しいが、潜在的な患者は約260万人もいると言われている。実際に治療を始める人も多いが、本当に完治するのか? 「突然昼間に強い眠気に襲われ、一度高速道路で居眠り運転したことも……。怖くて病院行ったら軽度だったので、マウスピース着用で完治を目指すことになった」  そう話すのは、2年前から治療中の公務員・神田淳さん(仮名・32歳)。現在は専門歯科に作ってもらった一つ2万円のマウスピースを、毎夜噛み込んで寝ているという。 「それで下顎を少し前に誘導し、口を塞ぎ鼻呼吸を促すんです。ただ風邪や花粉症の時期は鼻詰まりで逆に息苦しさが増します。今度はアレルギー薬が手放せなくなりました。今のところ多少はよくなった感触はあるけど、これが完治するかどうかは人次第らしく、当面は続けないといけないですね」  一方、さらに重症だったのは警備会社に勤める中村浩之さん(仮名・42歳)だ。SASで酸素能動が低くなった故に、高血圧から軽度の心筋梗塞まで引き起こした。「倒れて2週間入院しました。SASの原因は軽肥満と、舌の短さが気道を圧迫していることだった。海外では気道を広げる目的で外科手術もできるそうですが、先天的に舌が短い僕はそう簡単に治せるものではなく、ほぼ一生涯CPAP(シーパップ)を使うことに」  シーパップとは就寝時に着ける、鼻から空気を送り込む機器のこと。 「月一回の診療が義務つけられ、保険診療でもシーパップのレンタル代は毎月5000円。旅行にも持っていかないといけないし、3年間もこんな生活をしているけど一向に完治しない。実際になってわかりましたが、SASは本当にヤバい。奥さんから『寝ているとき息止まってた』とか言われたら、軽度のうちにすぐ受診すべき」  このように実際に器具による治療になってしまえば、完治するのはかなり難しいのが現状。「ヤバい睡眠」は、一刻を争う事態なのだ。  8月22日発売の週刊SPA!に掲載されている特集『死に至る[ヤバい睡眠]白書』では、最悪死ぬこともある「劣悪睡眠」のすべてを網羅。質の悪すぎる睡眠がなぜ引き起こされるのか、実例とともに検証している。寝苦しい夜にこそぜひ熟読いただきたい。<取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>
週刊SPA!8/29号(8/22発売)

表紙の人/ 岡田准一

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