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常夏のタイでアイススケートが大人気に

タイのスケートリンク

南国タイのしかも夏直前だが、きちんと寒い本格的なタイのスケートリンク

 南国タイが年間で一番暑いのは4~5月。日本の春休みに当たるこの時期は、タイの学校では夏休みとなっていて、学年が終わる3月上旬から新学期が始まる5月中旬まで2か月も休みになる。大学生くらいになると南の島に出かけたり、北部の古都チェンマイなど避暑地に遊びに行くが、子どもたちはそうもいかない。  と、そんな中、去年くらいから「常夏のタイで?」というスポーツが子どもたちを中心に人気を呼び始めている。  それは、アイススケートだ。  子どもたちが暇をみつけては足繁く通い、半袖姿でアイススケートを楽しんでいる。だいたい1時間あたり100バーツ(約300円)程度なので安く遊べるのだ。 「涼しいから好き。汗もかかないし」  バンコクの中学生、ノックさんが言う。彼女の足元を見ると白いフィギュア用のようなスケート靴を履いていた。 「貸靴は濡れているし、臭いし、すぐ足が痛くなるから。これは自分のなの」  靴はタイでは製造していないのですべて輸入物だ。といっても1000~5000バーツ程度(約3000~15000円)で買えるので、ちょっと無理をすれば手は届くのである。男の子はホッケー用の靴、女の子はフィギュア用を好んで履いているようだ。というか、それしか選択しがないのだが。  意外に思うかもしれないが、タイのアイススケート場はデパートなどの商業施設の中にあって、本格的なところだと専用ホールにリンクが作られ、フィギュアやアイスホッケーの練習ができる広さがある。すごいところではデパートの通路に設置されている。専用ホールは半袖だとちょっと寒いが、アイスの表面はしっかりと凍っている。デパート通路だとちょうどよい涼しさは保っているものの、表面はやや緩く削れやすい上、夕方は水っぽくてべちょべちょになってしまうのはご愛嬌。 ⇒【写真】南国タイのアイススケート場
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=409005
 10年くらい前までは伊勢丹デパートが入居する商業施設内にタイで唯一という感じでスケートリンクが存在していたが、当時からマイシューズを持った子どもたちが台頭し、彼らがパワースライド(エッジを進行方向に対し直角に向けて急ブレーキをかける)をしまくって表面はガタガタだった。その後そこは潰れてしまい、数年間、タイのアイススケート業界は氷河期を迎えていた。  しかし、2011年6月にタイ初のフィギュアスケート教室が、アメリカからコーチを招いて開催されたのをきっかけに各地にリンクが出現し、ブームが再燃しつつあるのだ。  各リンクにはちゃんとタイ人コーチがいる。スケートリンクにいたコーチにどこでスケートを憶えてきたのかを聞いた。

コーチのJANさんは1500バーツと高めだがなかなかの美形

「入社してからです。本社のリンクに先生がいて、その人に教えてもらっています。うちの会社のコーチはみんなこんな感じです」  郊外の巨大ショッピングモールにあるスケートリンクは、コーチのスキルにより1時間あたりの料金が違う。しかし、表に貼りだされた個人レッスン料金表を見る限り、なんかコーチの容姿で値段が決まっているような気がしないでもない。一番高いのは写真の彼女(https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=409015)。うーむ、これなら大人である記者だって、1時間1500バーツ(約4500円)を払ってでも習いたいような……。  現在も、世界で活躍するタイ人のフィギュアスケート選手は何名か存在するが、そのほとんどはアメリカ出身だ。しかし、このように子どもの頃からコーチ付きでアイススケートに興じる層が増えてきたら、今後、タイの浅田真央ちゃんが登場する日も遠くはないのかも!? <取材・文・撮影/高田胤臣>
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