ゲームコンセプター稲船敬二「立ち止まったら引退」
―[稲船敬二氏(comcept)]―
ゲーム業界のキーパーソンが登場! 『トップクリエイターの仕事場』
◆稲船敬二氏(comcept)【前編】「犠牲と代償」
「犠牲」と「代償」の超魔法バトルアクション『ソウル・サクリファイス』(※)で、コンセプターという仕事をした稲船です。実は、“コンセプター”は僕が作った造語。普通はプロデューサーとかディレクターになると思うんですけど、そこに納まらない仕事をしようという意味で、新しい肩書をつけました。まあ、この業界の中ではちょっと変わり者ですかね。
※ゲーム紹介記事はコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/404229
僕が、大手のゲーム会社から独立したのは今から2年半前。開発のトップというそれ以上は昇れない地位になって、決断を迫られていました。ここで我慢するか、その先へ進むか……。
僕は以前からずっと、立ち止まったら引退しようと決めていたんです。尊敬する映画監督の山田洋次さんは、80歳を越えても映画を撮り続けている。それこそがクリエーターの姿だと思うんですよ。だから、地位とお金があってサラリーマンとしては幸せだけど、クリエーターとしては幸せか……。そう思い、決断をしました。
独立して、考え方が成長したなというのが実感です。雇われていた頃は、自分の会社の利益だけ考えていればよかった。でも、どこの国にも属さない傭兵となった今は、いろいろな国が繁栄してもらわないと仕事がなくなる。業界全体の発展を考える広い視野が身につきました。
独立もそうですけど、僕はピンチな状態が好きなんです。徒競走でみんなを先に走らせておいて、自分は10数えてから走るみたいな。でも、マゾじゃないですよ。マゾは負けてる状態が快感な人。僕はそこを大逆転して優勝するのが好き。これって究極のSかなと(笑)。代償を払ってより大きなものを得る。犠牲と代償は僕の人生観でもあります。
※【後編】「プロジェクトは少なくとも3つは同時進行させるのがオススメ」⇒https://nikkan-spa.jp/422561 【稲船敬二氏】 comcept CEO。カプコン時代は『ロックマン』を始め、数多くの名作タイトルに携わった。著書に『どんな判断や!』などがある (C)2013 Sony Computer Entertainment Inc.
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