更新日:2013年06月04日 11:38
仕事

「幕の内弁当orウナギ弁当」会社員に必要なものは?

「強みが必要」だと言われる。しかし、「自分の強み」を明確に答えられるサラリーマンはいるだろうか? 20~30代の若手から「社外先輩」として支持される経営コンサルタントの鈴木進介氏は語る。 「強みは一つを徹底的に掘り下げる覚悟が必要です。クライアントにも、英会話にアプリ開発に財務の勉強に、と“強み磨き”に一生懸命な人がいるのですが、結局ものになった人はいません。逆に能力は高いはずなのに、結局、『あの人なにがしたいの?』といった、“もったいない”人になってしまう」  強みは一つあれば十分ということですね?
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ウナギ弁当は印象に残る!?

「記憶に残る幕の内弁当ってありますか? 無難にバランスよく素材が詰まっていることは嬉しいのですが、印象には残りにくい。その点、ウナギでもシューマイでも一点優れていれば確実に記憶に残ります。サラリーマンに印象はふたつもいらない。一つで十分なんです」  とはいえ、社内一や業界一の「強み」となると、ハードルが高い。 「確かに、誰もが認めるものになるには、時間がかかるでしょう。そして時間をかけたからといってものになるとは限りません。英会話にしても、ネイティブ並の人は山ほどいます。ただ磨き上げるだけではダメで、ふたつの考え方があります。まず一つ目はニッチな強みを選ぶこと。他人が英会話なら、自分はスペイン語にする。スペイン語ができて南米市場へのアプローチが考えられれば、それだけで価値が引き立ちます」  仰ることはわかるのですが、そこまでスペシャルなものがない場合はどうすればいいのでしょうか? 「ふたつ目の考え方ですが、一つがスペシャルにならない人は、“掛け算”です。例えば、自分はそこそこのウデの美容師だとします。カリスマ美容師には勝てませんが、お笑い芸人顔負けの“お笑い接客力”があればどうでしょうか? “笑い×美容技術”の掛け算で唯一無二の強みに早変わりします。僕は総合的な経営コンサルタントだったのですが、新規事業専門のコンサルタントに絞りました。しかし、まだライバルは多い。そこで、新規事業のやり方を研修形式で教えるという価値を掛け算し、“新規事業×研修”にしたのです。これによって一気にライバルが減り、独自のポジションを築くことに成功しました」  単純なスキルアップや勉強が嫌いな人にもチャンスはあるでしょうか? 「目に見える専門性やスキルである必要はありません。社内外に持っている人脈でも、遊びの達人でも構いません。仕事は無難でも、休日や夜になれば上司の遊びの指南役にまでなれば十分な強みになります。こういったネットワーク型は社内でも引き上げられやすく、クレーム案件の対応などで、上司が助けてくれることもあります。『なんでアイツが出世するんだ』というタイプですね(笑)。強みは選択が一番重要です。しっかりと武器を選んでから磨きましょう」  やみくもに動いてはいけないのだ。まずは自分にあるものと向き合う必要がありそうだ。 <取材・文/日刊SPA!取材班> 【鈴木進介氏】 コンパス代表取締役。「逆転の思考術」をテーマに経営コンサルタントとして活動。20~30代の若手社員から「社外先輩」として圧倒的な支持を得ている。5月9日に『スマホは捨てろ!』を発売 http://suzukishinsuke.com
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