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一般参賀で振っている「日の丸」は誰が配ってる?

 新年恒例の一般参賀が、今年も1月2日に皇居・宮殿でおこなわれる。昨年は7万9000人もの参賀者が訪れたというが、今年1年の安寧を祈るお言葉とともに、天皇、皇后両陛下と皇太子ご夫妻をはじめとする皇族の方々が、宮殿・長和殿のベランダから手を振られるお姿は、まさに日本の“新年の風物詩”と言っていいだろう。
一般参賀

一般参賀の模様 写真/宮内庁ホームページより

 ただ、この参賀の様子を伝える1月2日夕方のニュースを見ていていつも不思議に思うのが、参賀に訪れた夥しい数の人たちがみな、同様の日の丸を振っている点だ。  旗そのもののサイズはもちろん、旗竿の長さや竿頭の形状など、テレビの画面を通して見る限りみな同じ日の丸のように映る……。毎年この日に遠路はるばる訪れる参賀者もいれば、正月観光の一環で立ち寄る方もいるはずなのに、なぜみな同じ規格の旗を「持参」しているのだろうか?   普通に考えれば、一般参賀を取り仕切る宮内庁の職員が参加者に直接配っているのではないかと思われるが、どうも様子が違うようなのだ。毎年、参賀に訪れるという都内の40代男性が話す。 「なかには、自分の家から持ってきている人もいるようですが、私は皇居に向かう道すがら、いつも『皇居参賀協力委員会』と書いた緑の帽子を被った人たちから手渡された小旗で参賀しています。彼らは宮内庁の職員ではなく国旗協会の人たちのようです」  国旗協会とは内閣府所管の社団法人で、府のホームページを見ると、団体の代表は神奈川県の鶴岡八幡宮の吉田茂穂宮司が務め、設立の目的は「国民の理想を表わし、国を象徴する国旗の正しい理解と普及に努め、健全な国民の育成に資すると共に、世界の人々との間に相互理解の精神をつちかい、明るい日本と平和な世界の建設に寄与すること」との説明がある。要するに、国旗そのものの知識普及など啓蒙活動を推進する団体のようだが、彼らが参賀に訪れる人々に日の丸を手渡しているのだ。 「初めて一般参賀に行かれる方のなかには、自前で旗を持参するべきか迷う人もいるかもしれませんが、手ぶらでも問題ないということです。宮内庁の告知にも、『両陛下始め皇族方のお出ましに際し,長和殿中央付近で大きな旗やのぼり等を高く掲げることがないようお願いいたします』とあり、国旗協会の方が用意してくれる日の丸であれば安心。一般参賀は、年頭からとても厳かな気持ちになるのでオススメですよ」  今年の参賀でも、天皇、皇后両陛下がお出ましになられるのは,午前10時10分頃,同11時頃,同11時50分頃,午後1時30分頃,同2時20分頃の計5回が予定されている。この日、今や「最強のパワースポット」とも言われる皇居まで赴き、荘厳な気持ちに浸ってみるのもいいのではないか。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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