アメリカ先住民の水源地を汚染するパイプラインに、日本のメガバンクが1704億円を投融資
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昨年10月に現地を訪れ、日本でDAPL反対運動を呼びかけている青木はるかさんは、抗議者への警官の暴力に驚いたという。
「警察たちは、抗議者に対してゴム弾を撃っていました。そのため、現地の私の友人は片目をほぼ失明してしまいました」
昨年12月にオバマ前政権がDAPL建設の一時中断を決定。だが、トランプ大統領は今年1月にこの決定を覆す大統領令に署名、建設が再開され今年6月1日に稼働し始めた。ところが同14日、米国連邦地裁はスー族ら反対派の主張を一部認め、トランプ政権の建設認可を「違法」と判断したのだ。
「DAPLの操業が一時停止される可能性も出てきました」と青木さんは言う。
「スー族や反対派が懸念した通り、稼働前のテスト段階でDAPLは3回も原油流出事故を起こしています。環境や人権などのビジネスリスクを評価する大手コンサルタント『レップリスク』の最新の報告『世界で最も物議をかもした事業2016年』で、DAPLはワースト3位という評価でした。当初、DAPLに投融資すると表明していたオランダの『ING』やフランスの『BPNバリパ』といった大手銀行は、事業から撤退することを決定しています。また今年2月には、欧米の主要な機関投資家100社が、日本の3大メガバンクも含むDAPLに融資する銀行17行へ融資見直しを求める共同声明を出しています」(青木さん)
先住民族の権利は、今や国際的にも非常に重視される問題。日本の銀行業界の認識は甘いと言えるのだろう。
取材・文/志葉玲
― 地球を破壊するニッポンの銀行 ―
先住民族や周辺住民の水源を汚染する恐れがあるとして、米国で批判の高まっているダコタ・アクセス・パイプライン(DAPL)。この事業にも、全事業費38億ドル(約4318億円)のうち、日本のメガバンク3行(三菱UFJ、みずほ、三井住友)が1704億円を投融資している。
DAPLとは、ノースダコタ州からイリノイ州までをつなぐ約1886kmの石油パイプラインで、米国企業「エナジートランスファー社」が事業主体。DAPLの建設地は、アメリカ先住民族のひとつ「スタンディング・スー族」の居住地を通り、パイプラインからの原油流出で水源地が汚染される恐れがある。
米連邦地裁がトランプ政権の認可を「違法」と判断、一時操業停止の可能性も
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