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眞子様の御婚約「女性宮家を創設して皇族を増やそう」が間違っているわけ【憲政史家・倉山満】

 眞子内親王殿下の御婚約が発表されました。  めでたい限りです。お相手は、民間人の小室圭さんとのこと。  眞子様は小室家に嫁入りし、皇籍を離脱なされます。惜しむ声も多いようです。
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倉山満氏。憲政史家 撮影/林紘輝

 とくに、「ただでさえ皇族の数が少ないのに、これ以上、減らしてどうするのか」との声もあります。また、陛下がご高齢で御公務が大変なのに、代わって御公務ができる皇族が減るのは問題なのではないか」との声もあります。ごもっとも。  そこで、内親王がご結婚の際に皇籍を離脱しなければならない現行の皇室典範を改正し、女性宮家を創設すべきではないかとの意見もあります。  これに関しては、結論はそんなに難しくないので、簡単に答えておきましょう。  問一 女性宮家創設は是か非か。  答一 是、です。絶対ダメではない程度の、消極的な是ですが。  先例があるので構いません。  江戸時代に桂宮を継承した淑子内親王(仁孝天皇の第三皇女)の一例だけではありますが。    ちなみに淑子内親王はお子さんを残さず薨去されたので、桂宮家は断絶しました。これは佳例とは言えませんので、女性宮家は何が何でもやる話ではありません。  どうしても必要ならば、絶対にダメとは言わない、程度の話です。  問二 その場合、小室さんの御身分は?  答二 准皇族が適切です。  今はありませんが、昔は准三后という身分がありました。皇后・皇太后・太皇太后の三后に准じるという意味です。  有名なところでは、人臣最初の摂政の藤原良房、『神皇正統記』の著者の北畠親房、室町幕府最後の将軍の足利義昭などが准三后でした。というふうに、民間人が准皇族となった先例はいくらもあります。だから、小室さんが准皇族となっても問題はありません。  ただし、「准」であって、皇族にはなれません。皇族ではない単なる民間人が、皇族となった例は、歴史上一度もありません。皇室では許されないことです。「准」の一文字が付くのと付かないのでは、天地の違いなのです。  なお、インターネットで検索すると「準皇族」の文字ばかりが並びますが、誤字です。野田佳彦内閣で女性宮家が議論されたとき、誤字が報道された影響でしょう。
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小室さんが准皇族となられた場合、小室さんの敬称は?
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日本一やさしい天皇の講座

天皇はいかにして権力を手放し立憲君主になったのか。そして今回、論点となった譲位、女系、女帝、旧皇族の皇籍復帰の是非について、すべて「先例」に基づいて答えることで、日本人として当然知っておくべき知見を集約した一冊。

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