デーブ大久保、松中信彦が自らの去就を語る――デーブは「居酒屋のオヤジになる」準備を着々と、松中信彦は現役続行を目指す
いよいよ日本シリーズという機運が盛り上がる昨今。だが、ペナントレースの結果を受けて退場を余儀なくされる男たちもいる。そんな彼らの今後を聞いた。
◆デーブ大久保は「歌舞伎町で居酒屋のオヤジ」を希望
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「リーグ優勝が決まった翌日に、『松中、来季は構想外』という新聞の見出しが飛び込んできた。自分のなかではここ2、3年ほとんど一軍でプレーする機会がなかったので覚悟はしていましたが、正直、寂しいです。もっともっと(ホークスで)プレーしたかったです」
眼下に広がるヤフオクドームでは、松中信彦のいないクライマックスシリーズが開幕しようとしていた。かつて万年Bクラスだったホークスが常勝軍団へと進化を遂げたその一翼を担った松中を抜きに、ホークスのプレーオフを語ることはできない。良くも悪くもだ。
「特にプレーオフが始まった’04年、’05年はレギュラーシーズンは1位通過したのに、2位との差が4.5ゲーム差だったから1勝のアドバンテージがもらえなかった。自分が打っていれば勝ち抜けていたんだけど……ね(苦笑)」
野球選手としてはベテランの域に差し掛かった’08年シーズン、34歳の松中は、自らの言葉を裏付けるかのように公式戦全144試合に出場した。師と仰ぐ王監督が14年間の超長期政権を終えることとなったこの年はしかし、投打のバランスが噛み合わずチームは低迷。最下位転落がかかった最終戦、延長12回のチャンスで内野ゴロ併殺打を放った松中は、皮肉なことに14年間に及んだ王政権最後のバッターとなってしまった。
ホークス一筋で19シーズンを戦ってきた平成唯一の三冠王・松中信彦は、41歳の今年、自らの意思でホークスを“退団”した。それは今年、多くのベテラン選手がユニフォームに別れを告げたような“引退”ではない。「自分の状態は自分が一番わかる」と語る松中は、他球団での現役続行を目指し、今もトレーニングを続けている。
※10/20発売の週刊SPA!では「プロ野球“一敗地に塗れた”男たち」と題してデーブ大久保氏と松中信彦氏のインタビューを掲載中。
<取材・文/週刊SPA!編集部>
昨季限りで勇退した星野仙一氏(現・楽天球団取締役副会長)に代わって東北楽天ゴールデンイーグルスの5代目指揮官に就任した“デーブ”こと大久保博元前監督だったが、終わってみればパ・リーグ全5球団に負け越し。5位オリックスに3.5ゲーム差をつけられての最下位(57勝83敗3分け)に沈み、わずか1年での退任となった。
「正直、監督という立場上、常に強気のポーズを取ってきたので心身ともに疲れています。コーチ、二軍監督時代を含め、楽天には4年間お世話になりましたけど、特に今季は、世間にいろいろ騒がれながらも、やせ我慢しながらやってきたのがホンネ。まあ、いろいろ考えながら戦ってきましたが、それが失敗したから6位という結果になったということです」
そんなデーブ氏だが、退任スピーチでぶちまけたように、今後は歌舞伎町で居酒屋のオヤジをやるのだろうか。
「あそこで『居酒屋をやる』と言ったのは、コーチなど次のポストが決まっているから監督を辞めるのだと思われるのが嫌だったからなんです。思えば、選手、コーチたちとは一線を画していたので、基本的にはひとりで酒を飲んでいた監督時代。そんな僕を支えてくれたのは『おつかれさま』と言ってビールを注いでくれる馴染みの居酒屋でした。女将や大将に泣き言を聞いてもらい、そこで出してもらった旨いツマミにどれだけ救われたことか。考えてみたら西武のコーチを辞めてからラーメン店で修行していたこともあるので、腕に覚えもある。今度は自分が誰かを癒やす番だと思ったんです」
“裸一貫で出直す”と宣言するデーブ。遠征等で自らが食べ歩いてきた全国の美味いモノを出す店とのツテもある。今度は野球ファンやサラリーマンたちを食を通じて癒したいという。
「客単価3000円の居酒屋を開けたらと思っています。もちろん、ユニフォームを着るチャンスや解説の仕事をいただけるなら、野球の現場には戻るかもしれません。ただ、解説をやっても、試合は21時半ごろには終わる。球場から店に駆けつけて、22時から深夜2時頃までなら居酒屋のオヤジができるかなと思っているんです(笑)」
◆平成の三冠王・松中信彦は現役続行を目指す
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