甲子園のエース・島袋が6年で戦力外通告。プロで輝けなかったスターたち
クライマックスシリーズ(CS)が開幕し、2019年プロ野球もいよいよ大詰めを迎えている。今月はCSや日本シリーズに加え、ドラフト会議も行われ、各球団とも一年の総決算とともに来季へ向けての大きな動きがみられるのもこの時期だ。そんな中、レギュラーシーズンを終えるとともに戦力外となる選手たちの名前も発表されている。
今月1日にはソフトバンクが、島袋洋奨投手との来季の契約を結ばないことを明らかにした。2010年、興南高校のエースとして甲子園春夏連覇を成し遂げる。その後は中央大学へ進学、2014年のドラフト会議においてソフトバンク5位指名を受けプロ入りを果たした。
活躍が期待されたものの、ケガに悩まされるなど一軍での目立った成績は残せず、2017年には育成選手として再契約を結び、今シーズン終了後、戦力外が発表されている。
「これまで支えて下さった周りの皆様に感謝しています」と、周囲への想いを語っており、今後については未定だという。今から9年前、甲子園を大いに沸かせた左腕だったが、プロ入り後は一軍登板僅か2試合と、様々な壁に苦しんだ。
アマチュア時代では眩い輝きを放ちながら、プロの世界で期待通りの活躍をみせることがいかに難しいか、これまでの長い歴史の中でも証明されてきている。
同じように、甲子園のマウンドに登り全国の野球ファンに鮮烈な印象を残しつつも、プロの壁に跳ね返されたプレーヤーは無論、少なくない。
平成9年の夏の甲子園、鋭い直球と落差の大きいカーブを武器に平安高等学校を準優勝に導いた川口知哉もそのひとりだ。
マウンドでの雄姿もさることながら、試合への意気込みを聞かれた際の「完全試合をめざします」といった、高校球児らしからぬビッグマウスも大きな話題を呼んだ。同年のドラフト会議では4球団競合の末、オリックスブルーウェーブ(当時)が引き当て1位指名で入団。ここでも希望の背番号を素直に語るなど、プロ入り後もその言動が注目を集めるも、実働5年で現役を引退。現在では女子プロ野球機構に所属し指導者としての道を歩んでいる。
2005年、巨人の1位指名でプロのユニフォームを着た辻内崇伸も、高校時代の輝きをプロの世界では放てずに苦しんだ。
大阪桐蔭高校で甲子園出場を果たし、156kmを記録するなど本格派投手として注目を集めていた。巨人入団初年度にはペナントレースのテレビ中継において、二軍での辻内の登板の様子が伝えられるなど、その期待の大きさをうかがわせた。一軍公式戦出場を果たすことなく、2013年の引退後は一般職や、指導者としてアマチュア野球に携わるなどセカンドキャリアを築いている。
甲子園のスター・島袋洋奨の戦力外通告
実力とビッグマウス。甲子園を沸かせた川口知哉
大阪桐蔭高校から巨人入団のエリート…辻内崇伸
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