コロナで2か月間収入がなくなったキャバ嬢…第二の人生を歩みだした結果
「緊急事態宣言が発令されたとき、自分の今後について何度考えたことか」
六本木のキャバクラで働くハナさん(仮名・28歳)は、新型コロナウイルスの影響を受け、収入は激減。約2か月の間、店は休業となった。
“水商売で頑張り続ける”と誓い、10年近く夜の世界で頑張ってきたハナさん。もちろん、2か月も収入がないという状態は初めてのこと。貯金はあったものの、20万円以上する家賃などの生活費を賄っていたらあっという間になくなっていったそうだ。
「人生で“マジ終わった”って思ったのは、これが初めてかもしれません」
危機的状況から脱出するためには。そんな時に思いついたのがカウンセラーへの道だった。
「人の話を聞くキャバ嬢という仕事を長くやってきたので、自信がありました」
若い頃、金銭的な理由で大学進学を諦めたハナさんだが、もし当時余裕があったら心理学を学びたいと思っていたんだという。
「私の中で変われそうな大きなチャンスっていう感じでしょうか、ピンと来た感じがありましたね」
まず初めに取り掛かったのは、心理学関係を学ぶことができる民間資格の取得。心理カウンセラーに関するものを2種類学ぶことにした。
「金額としては5万円程度。ニート状態の私としては痛い出費でしたが、将来のためと思えば頑張れました。時間はたくさんあったのでテキストも捗りました。ロクに勉強もしてこなかった私ですが、初めて“勉強って面白いかも?”って思いましたね」
テキストには“開業の仕方”など、資格取得後のビジョンについてもかかれており、俄然やる気が出たという。
次に始めたのは、電話でのお悩み相談の模擬練習。ハナさんの指名客に事情を話し、相談者として協力をしてもらうというものだ。
「どのお客さんも、“ハナちゃん頑張ってね!”って言ってくれましたね」
中には、“もう高級シャンパン卸さなくていいね”などのジョークを言うお客さんも。そんな他愛のない会話でも、ハナさんの中ではカウンセラーとして着実に一歩を踏み出している感じがしていたそうだ。
話は少々逸れるが、指名客の相談とはどのようなものがあったのだろう?
「“好きな女の子がキャバ嬢なんです、どうしたらいいですか?”や、“お店へは行きたいけれどお金がなくて”といった、夜の街あるあるの相談でした」
前者はともかく、後者は相談とも言えないような浅い悩み……。しかし、期待外れと思いつつも相談者に寄り添うよう、親身になってアドバイスをすることを心がけたと語る。
「内容としては、“キャバ嬢も女の子。気持ちを汲んであげて”とか、“お金がないなら、好きな子のためにお仕事を頑張るしかない”とか。でも話しているうちに、“こんな話、お店でよくしていたなぁ”って思い始めたんですよ…」
ここから、ハナさんはあることに気づく。
2か月も無収入…生活費で貯金も尽きかける
客と電話でカウンセリングの練習も
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