更新日:2022年10月29日 01:50
エンタメ

オタク臭漂うアニメ絵・萌え絵ジャケに悶絶必至! 新時代のヘヴィメタル「同人メタル」の世界

<文/山野車輪 連載第13回>

ネットの普及と並行してオタク化していったジャパメタ

 世間の人々が認識しているところのヘヴィメタルのイメージとは、おそらく、ホラー映画にみられるようなおどろおどろしいものだろう。実際、ヘヴィメタル専門店のデス/ブラックメタル・コーナーの棚に収まっているCDジャケットは、そのイメージの通りである(メタラーは、腐乱死体であればデスメタル、ツルツルしたバンドロゴであれば北欧メタルなど、ジャケットのヴィジュアルでおおよその音・ジャンルの判別をつけている)。  だが、日本のヘヴィメタル(ジャパメタ)・コーナーを見ると、一般の人々は、かなり驚くのではないだろうか。というのも、ジャパメタの棚に収まっている少なくないCDジャケットが、アニメ絵・萌え絵なのだ。そこだけが異様な空気…ぶっちゃけるとオタク臭が漂っているのである。  メタラーは、アニメ絵・萌え絵ジャケットの意味を、ちゃんと理解しているのだろうか。オタク趣味を兼ねる筆者は、00年代初頭頃にはすでにインターネットなどでオタク臭漂うジャパメタの自主制作CDを買っていたから、アニメ絵・萌え絵ジャケットCDの正体はわかっていた。これらは「同人メタル」と呼ばれるものだと。

オタク臭漂うアニメ絵・萌え絵ジャケットの同人メタルのCDたち(著者撮影)

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同人メタルとは何か?
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(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)

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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  だが、実はジャパニーズメタルは、長らく洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 本書は、メディアでは語られてこなかった暗黒の時代を振り返る、初のジャパメタ文化論である。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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