心霊スポット300ケ所に潜入した記者が体験…深夜ロケの怖すぎる話
全国各地に存在する廃虚や心霊スポット。若いころ、深夜に友人たちと訪れた経験のある人も多いのではないだろうか?
廃虚や心霊スポットなどの潜入ルポを雑誌に連載。全都道府県の有名無名スポットを訪れ、その数は300か所以上に及ぶ。
ただし、筆者には霊感と呼ばれるものが備わってないようで、直接的な恐怖体験をしたことはほとんどない。それでもまったくないわけではなく、数える程度だが不思議な体験をしたことがある。
そこは山奥にあるかつての炭鉱街。訪れたのは今から15年以上も前のことだが、当時すでに住民は1人もいないゴーストタウンで携帯電話も圏外。建物はほとんど取り壊されており、朽ちかけた木造の商店らしき廃虚など数棟がかろうじて残っている程度だった。
でも、ここを訪れたのは廃虚や心霊スポットとしてではなく、昔ここであった殺人事件の記事用の撮影。この日は朝から長距離移動や取材が続いたハードスケジュールで、現地に到着したのは深夜12時。編集者とカメラマンの3人でのロケで、当時は立入禁止になっていなかったので車で炭鉱街があった場所を移動しながら撮影を行うつもりだった。
ところが、ここでカメラマンが異変に気づく。自身の一眼レフカメラの電源が突然入らなくなったのだ。
しかも、持っていたもう1台のカメラも作動せず、複数あった予備のバッテリーに交換しても動く気配はなかった。どれもフル充電されていたにもかかわらずだ。
2台のカメラが同じタイミングで動かなくなることは通常まずありえない。万が一、偶然が重なったとしても普通はカメラ本体の故障を疑うだろう。困ったことになったと思いつつも筆者が持っていたコンパクトデジカメはちゃんと作動していたし、最初は単なる機材トラブルだと思っていた。
だが、このときまったく予期していなかった不可解な出来事が起きる。突然、どこからともなく「ピヨピヨピヨ……」って音が聞こえてきたらしいのだ。
あえて「らしい」という言い方をしたのは、この音が聞こえたのは編集者とカメラマンの2人だけ。実は、筆者の耳には最後まで聞こえなかったからだ。
加齢に伴い高周波の音が聞こえにくくなるモスキート音というのがあるが、筆者もほかの2人も同年代。山奥なのでたむろする若者の撃退用にモスキート音発生装置を設置しているともの考えにくい。そもそも2人とも「モスキート音とは明らかに違った」と否定している。
文字に起こすとヒヨコの鳴き声みたいでかわいらしく思えるが、「小鳥の鳴き声とはまったく違い、人工的な音だった」とカメラマンは証言している。
ただ聞こえるだけならまだいいが謎の音は徐々に大きくなったそうで、怯える2人。対照的に状況を理解できずにポカーンとする筆者。慌てて車に乗って炭鉱街の別の場所に移動するも謎の音は自分たちのほうに向かって来ていたという。
筆者は今でこそ旅モノの記事が多いが、若手ライター時代には突然、カメラの電源が入らなくなった
筆者たちに追いかけてくる謎の音の恐怖
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フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。
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