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転職の達人が語る「ゆるい職場から去りたい」若手がキケンな理由

「スキルが身につかなくて不安だ」若者たちの声

オフィスで悩む会社員

写真はイメージです

 今はちょっとした言動がパワハラ認定されかねない時代。上司や先輩が厳しい指導を避けがちになった結果、緊張感のない「ゆるい職場」が増えているという。 そんなゆるい職場は若手にとって天国かと思いきや、「こんな会社では成長できない」と、転職を志す若手社員が増えているそうだ。これまでは収入や待遇への「不満」が転職動機だったのに対し、今増えているのは自分が成長できないことに対する「不安」から転職を志すケースだという。 こうした現状について、「転職相談のオンラインイベントを開くと、同じような不安から転職を希望する若手社員は実際に多いです」と話すのは、ベストセラー『転職と副業のかけ算』の著者で、転職のインフルエンサーとして知られるmotoこと戸塚俊介氏だ。 「よく相談されるのは、『今の職場の研修体制が緩い』とか『スキルが身につかなくて不安だ』といった声です。職場がリモート体制になり、上司も周りにいないし会社が研修をしてくれるわけでもなく、『仕事自体は楽しいんだけど、これでいいのかな…』といった不安を感じる人は多いようです」  そういった背景から転職を希望する人が増えているわけだ。しかし、「ゆるい職場から脱出したい」という動機だけで転職するのは、全面的に賛同はできないという。 「今の職場を『ゆるい』と感じる一方で、ハードワークをしたいかと聞かれると、そうではない人が多いのです。むしろ『自分が成長できる環境はほしいけど、ライフワークバランスは守りたい』という声が目立つ。要は、激務すぎず私生活も充実させたいけど、自分を成長させてくれる環境が欲しい、あわよくば副業もして稼ぎたいという、欲張りセットなのです。個人的には、そんな職場は“青い鳥”だということに気づいたほうがいいとアドバイスしています」

ゆるい職場は本当に成長できない環境なのか?

 そもそも、「ぬるい職場だから自分が成長できない」と考えるのではなく、「今の環境で成長するためには、何をすべきか」を考えることが大切だという。 「上司やクライアントに言われたことだけをこなしていると、仕事ではなく作業になってしまい、身につく力も“下請けスキル”が多くなります。フィードバックしてもらえる機会も多くないため、一つ一つが細切れの作業になってしまい、結果として『今のままだとスキルアップできないのではないか』と不安になる人が多くなる。 しかし、ただ不安になっていても成長はできません。今の仕事において成長したいと考えるなら、もっと自分にできることはないか?という視点を持つことが大切です。パワーポイントでの資料作成やエクセル作業など、仮に“枝葉の作業”を任せられたとしても、任された仕事における効率化や、成果の最大化に向けてできることを考えて実行することが大切です。常に『何のためにこの仕事をしているのか』『もっと他にできることはないか』という視点をもって取り組むことが成長につながっていくはずです」
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自分ではなく会社に意識を
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転職と副業のかけ算

「転職アドバイスが的確すぎる!」「motoさんの発言を参考にしたら年収が上がった!」など、各種SNSで圧倒的支持――! 年収240万円の地方ホームセンター勤務から、4度の転職と副業を駆使して年収5000万円を稼ぐようになった「次世代型サラリーマン」の初の著書。



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